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文京区大塚での買取、【茶道具】、【永楽善五郎の茶碗】。

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「それは私が持って行くの。」
「これも持って行くの。」
私が手にした、鉄瓶や青磁の香炉。
「私は、貴方の欲しいのが、分かるのよ。」

来春、引っ越すので見て欲しい物が有るの、と呼ばれてお邪魔した、文京区大塚の4階建ての古いマンションの4階の一部屋での話です。

元気なお姉妹のお姉様のお言葉です。
妹様は、私は、何もいらないと仰ってます。
結局の所は、私に買えるものが有ったら買って欲しいと言いながら、私が、
これは?」と言うと悉く「残す。残す。」と仰るお姉様。
横で妹様の口が膨れてます。
父上が使っていたと言う古い欅の机の引き出しを開けながら「ここに、眼鏡とか万年筆とか、有りませんでしたか?」
「捨てちゃったわよね~」って
お二人で合唱です。

「他に何か棄てましたか?」
モンブランの万年筆とかかなりの数の銀杯なども棄ててしまった様です。
私はお二人の顔を見つめながら「アホと呼んでいいですか?。」
怪訝な顔で見つめ合いながらお笑いのお二人。
棄てて良いものと棄てては不味いものとかを説明しながら、やっと探し当て、頂いて来たのが、この善五郎のお茶碗でした。

永楽善五郎の茶碗

永楽善五郎の茶碗

こういう物には、余り、頓着が無く、すんなりと譲って下さいました。

他に、ヘネシー、ブランデーが何本か、お琴が2面、箱の無い掛軸が10本程、欅の卓袱台1台、等々を頂いてまいりました。
今年の締めの最後の買取としては、いささかさびしい思いですが、私に楽しく対応して下さった、文京区大塚の気さくなA姉妹様、私にお声を掛けて下さいまして有難う御座いました。
歳の終わりに4階までの階段を10回ほど往復させられ、冬の真ん中で、汗だらけになりながら、車の少ない静かな春日通りを後にしました。

今年は店の真近の生鮮市場にも人出が極端に少なく、本当に二日後に、正月が来るのか、なんとなく寂しいそんな今年の、暮の一日でした。

私には寂しい一年になりそうです、今年は。

川崎氏多摩区での買取。リオサンバとの出会い。

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台東区にお住まいのN様からのご依頼でした。

目的の場所は川崎市多摩区。

読売ランドが一番近い駅だそうです。私の店から40分ほどで着きました。

外観からお部屋の中まで、40年分の歴史と生活の跡がたっぷりと詰まった立派なお屋敷でした。

建て替えのための整理でお部屋に残された物の買取をお願いされました。

人が住まなくなってしばらくたってます。

過去のぬくもり、思いなどを丁寧に包みながら段ボールの箱が膨れてゆきます。

かなりの品物を頂きました。

掛軸、絵画、茶道具、着物、昭和の家具、ランプたち。
一度には積みきれずもう一度来なくてはなりません。

取敢えず私向きの品物が詰まった段ボール箱を10箱以上車に積むことに。

往生しました。

道路から玄関まで12段の立派な階段。更に二階までの階段。

私の肉体からは「ご主人様ご勘弁を!」の泣き声が聞こえます。

物の虜の私には聞こえません。

階段の降り口のバラの木の棘がしょっちゅう背中を引っ張ります。

何回か階段を滑りそうになりました。

私の額の余りの汗に奥様が冷たいサイダーを出して下さいました。

作業の後、庭を見せて頂きました。

綺麗なバラと椿が咲いてました。

建替えで無くなるそうです。

私は薔薇の名前はわかりません。

リオサンバ、ヘンリーフォンダ、アンネフランクの名のバラに出会えました。

リオサンバ

リオサンバ

アンネフランク

アンネフランク

 

 

先程の階段でのつらい上り下りを忘れました。

最後に椿の小さな鉢を助手席に乗せて素敵な川崎の町を後にしました。

 

 

新宿区での【茶道具の買取】、【蒔絵の平棗】の買取。

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一昔前と言うか、私達の子供の頃の今の時期の日暮れ時に似合うキーワードと言えば、麦わら帽子、虫取り網、青空、夕焼け、蝉の声、、、。
然し今日の日暮れ時はそうでは有りませんでした。
「お母さん。」
「なーに?」
「お日様にも夏休みってあるの?」
「何で?」
「だって最近全然見えないじゃん、お日様。」
「あのねー、誰にでも都合が有るの!」
「もうすぐ、休みが明けるから見ててごらん。」
「そうかなー?」
良く店の前を通る母子の、手にしたビニール傘の中から聞こえる会話です。

人は勝手な物で、太陽に力が無いと感ずると、頭も心も曇りがちになります。
今日は黙って、在庫をいじくる事にしました。
確か、暑さの厳しかったころ、新宿区の何方からか買い取って来た、茶道具の中から蒔絵の棗が出て来ました。
古い物ではありませんが輪島の、蒔絵の平棗です。

蒔絵の平棗

蒔絵の平棗

かなりしっかりした蒔絵の仕上がりです。
買うときにはかなりの金額です。
物によっては欲しがる人の多いアイテムです。
箱を開けながら、確か若い男性からの買取だったと思い出しました。
父の物だったので高く買って欲しいという事で、結構頑張って買取させて頂きました。
これから大切に、新しい嫁ぎ先を探させて頂きます。

横のテレビでは世界陸上との別れを告げてます。
人間離れした選手達の容姿、パワーにひと時の感動を味わいました。
女子走り高跳びの選手達の脚の長さには驚かされました。

一つの夏の終わりを感じます。
早くお日様の休みが明けて欲しい物です。

文京区千石での【茶道具の買取】、【錫の茶入れ】の買取。

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ガトリンの格、貫禄と、サニブラウンの初々しさ。
スタートまでのアイドリングの間、かすかな夢を見させてくれました。

何事もスタートするまでは夢が広がります。
夢と現実のギャップ、ガトリンが、ボルトが教えてくれました。
結果に打ちひしがれては又、次の夢へ。
いいですねー。スポーツは。
夢と感動を与えてくれて。

私たちの仕事もたまには夢と感動に出会えます。
文京区千石のM様宅に、着物とか茶道具の買取りでお邪魔しました。
着物は桐の箪笥一棹分。買取りできないものも処分してほしいとのことで、半分ほどは買取りの難しい物達でしたが、一枚残らず頂くことになりました。
次に、押し入れの上半分ほどに並べられた茶道具の山。
ほとんどがお稽古用の風炉とか茶椀達。
その中で出会ったのがこの錫製の古い茶入れでした。

錫の茶入

錫の茶入

こう言う物との出会いは、夢を与えてくれます。
お値段もこれ一つで十分です。
気持ちよく譲っていただきました。
文京区のM様、有難うございます。
しばらくは夢が有ります。
夢が感動に変われば最高です。

北京から聞こえる、夢と感動、上海から聞こえる、現実と不安、しばらく観戦です。

目黒区での【茶道具の買取】、【玉川堂の買取】。

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「缶ビールと日本酒が有るんですけど。」
で、お尋ねしたのは、目黒区下目黒のN様。
有りがたい事です、確か去年の暮れにも矢張り缶ビールの買取で呼んで頂いた方でした。
量は多く有りません。
スーパードライの500が一箱と、日本酒が三本、スーパードライは私の好物の一つですから、有りがたいんですが、せっかく目黒まで来て、このまま帰れません。
2回目という事も有り、チョッとずうずうしく「何か、他に御不用の物は有りませんでしょうか?」
で、たまたま、奥様が、出して頂いたのが此の玉川堂の茶入れでした。
いきさつを伺いました。
聞かなければよかったんです。
「この前、骨董品とか、茶道具とか整理して、たまたまこれ一つが残ってたの」
「こういう物って、お宅も買うんですか?」
買いますとも、スーパードライよりは、遥かに出会いたい、買いたい品物なんです。
手あかの付いてるくらい使い込まれ、槌目の肌色の黒さに渋さが出てます。

玉川堂の茶入の買取

玉川堂の茶入の買取

欲しがる人いの多い品物の一つです。
嬉しさよりも何と無く悲しい出会いです。
奥様へのコメントは無しにして、スーパードライが悲しむような金額で買取させ頂きました。
奥様のちょっとびっくりのお顔を後にして、再び日曜の山手通りへ。

今日は何故か銭湯が混んでました。
缶ビールと世界陸上で、今日の疲れを取りたい私。

100メートルの決勝。
10秒足らずの熱い褐色の戦い。
負けましたがガトリンのはち切れそうな筋肉と、輝くような、渋い黒い肉体に久しぶりに感激しました。
今日は黒に感激の一日でした。

渋谷区千駄ヶ谷で、【茶道具】の買取です。

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緑、黄色、赤の混じった、琉球ガラスで出された麦茶、一杯口にすると、喉に心地よい涼しさが流れました。
「W様は、沖縄の方ですか?」
思わず尋ねてしまいました。
「私はねー、茨城なのよ。」
「えーっ、私も茨城なんですよ。」
ひとつのガラスのコップから思わず、ふるさと談義が始まり、お互いの年齢の話まで、話が広がり、私の印象通り、W様が私より、かなりお若い方というところで話も収まり、汗も収まり、いよいよ本題の、茶道具の買取に入る事に。
玄関に掛っていた、カシニョールとブラジリエのリトグラフは残念ながら、価格が折り合いませんでした。
私も正直、今、積極的に欲しがるものでは無い事を丁寧に申し上げ御理解を頂きました。
本題の茶道具も残念ながら、高額な価格を提示できる物ではありませんでした。茶碗、釜等で、約10点ほど。
暫くは熱心にお稽古をなさったとの事、目ぼしい物は一つ二つと人の手に亘り、今はこれしかないと、返って恐縮がられてしまいました。

大と小の茶入れが気に入りました。

大きな備前の茶壺

大きな備前の茶壺

小さくて可愛い棗型の茶入れ

小さくて可愛い棗型の茶入れ

お年はそれほどでもないのに何と無く身の回りの物を大切に整理を始められるような気配が見えて、私も何と無く、目いっぱいのお値段で、買い取る事になりました。
次の整理では、着物と、アクセサリーが出てくるそうです。楽しみです。
神宮の森に近い、渋谷区千駄ヶ谷の、お上品な奥様からの買取でした。
冷たいお茶を何倍も頂きまして、有難う御座いました。

目黒区目黒本町での【茶道具の買取】。

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茶道具を見てほしいんだけど。
目黒本町のY様からお声がかかりました。

買えば安くないのが茶道具です。
然し私達が評価に苦しむ茶道具も少なく有りません。
残念ながら今日、私を待っててくれたお茶碗たちは、まさしく買取の難しい物でした。

名も無く、時代も無いいわゆるお稽古用の茶道具はいくら数が有っても高価な買取は困難です。
しかし、思い入れは強いんです。持ち主のY様。
兄上が遺されたものでかなり期待をしてたとのことですが、こちらの説明に気持ち良く応じて頂きました。
この二宮金次郎、そばでじっとさみしそうにしている物ですから、了解を得て一緒に連れて帰りました。
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ついでにソファーも一つと頼まれましたが、昨夜から右足のひざに痛みを覚える私は、体よくお断りしたのですが、奥様が、私も手伝うからというので、階段の3階から下す羽目になりました。

階段がせまいんです、らせん状で。
ひと汗ふた汗かきながら、奥様と悪戦苦闘しながら下してから良く見ると、エコーネスのストレスレスチェアでした。
相当古型の。
20年近く使わず置きっぱなしとのことで、縫い目には埃がいっぱいです。
オットマンも出て来ました。
本来ならかなりの値段で買い取り出来る物ですが、状態が状態です。
こちらも私提示の目いっぱいのお値段に、気持ち良く首を振って下さいました。

ソファーの奥から見えたアンプ、スピーカーたちは次回にまわして頂きました。
なんとなく元気の無い旦那さまと、活発で元気な奥様のY様御夫婦。長居をしてしまいました。
最後に入れて頂いたおいしいコーヒー御馳走様でした。
コーヒー飲むと命が延びるとか。
有難う御座いました。