三代目・徳田八十吉の小さな花瓶との出会い|新宿区矢来町での九谷焼の買取り

, , , , ,

ここ数日の雨は、今年の梅雨の分でしょうか。

東京都内では降雨の日が16日を数え、戦後最長になっているそうです。

そんな雨がしっとりと降り注ぐ本日。
新宿区の矢来町のH様のお宅から、小さな花瓶を引き取りさせて頂きました。

古めの、貫禄のある木箱に綺麗に納められた、徳田八十吉の作品です。

 

遺品整理で不要になったガラクタの引き取り依頼

新宿区矢来町

「お盆明けの水曜日、ここしか時間がないんです」

盆明けの16日になる本日、どうしても今日中に整理したい品物が有り「お宅に見てもらわないと正直わからない」とのお電話を頂戴しました。

ニュアンス的にはもしかするとガラクタかも、そんな雰囲気も伝わってきます。

ただ、私どものつたないブログを読んでくださって、今回はうち1本にしか連絡していないという心意気も感じ、矢来公園の先の信号を左折し、お目当てのH様のお宅へ向かいました。

 

九谷焼の最高峰・三代目・徳田八十吉作の花瓶

三代目・徳田八十吉

今回は、亡くなったお父様の遺品の整理がひと段落したところ、処分してよいか迷った品物を見てほしいとのことでした。

お父様のお部屋は2階の部屋。

ある程度の片付けは終わってはいるものの、その部屋の押し入れには無造作に荷物が積み重なっている状態。

いくつかの名のない骨董品などを手に取りながら、お父様の遺品を丁寧に拝見させて頂く中で、古い桐箱に納められた花瓶が数点、そして愛用されていたであろう着流しの着物が敷き詰めてありました。

その中の同箱にひっそとり収まっていたのが、
今回引き取らせて頂いた徳田八十吉作の小さな花瓶です。

そっと同箱を開けるとあの独特の「青手」と呼ばれる色彩が目に飛び込んできました。

初代八十吉とは作風がまったく異なり、「青手」と呼ばれる古九谷から持ち入れられた上絵釉薬の色彩を生かす「温故知新」的作品は、三代目の一番の特徴。

 

花瓶と数点の着物を買取

ちいさな花瓶

そんな訳で、この花瓶と数点の着物を買取させて頂きました。

H様は、ちょっとのお小遣いになればと思っていたらしいですが、思わぬ「収入」を得られ大変驚いていらっしゃいました。

徳田八十吉の作品は多くの陶磁器の中でも 国内外の多くファン、コレクターから愛されています

買入れ本舗では、東京都内近郊での、徳田八十吉(正彦)をはじめとする、有名陶芸家の作品の買取に力を入れております。

平櫛田中(ひらくし でんちゅう)の彫刻品との出会い|東京都千代田区にて買取

, , , , ,

本日は、千代田区の平河町のG様のお宅から、平櫛田中の彫刻作品を買取させて頂きました。

明治・大正・昭和、そして平成の時代を乗り越え、現代にタイムスリップした田中の作品。実際に現場でこの彫刻を見たとき、ことばでは表現できない衝撃が走りました。

「まさか、出会えるとは」

これ、正直な感想なんです。

この商売をやってると色々なモノを引き取るんですが、その中でだんだんと知識がついてきて、「いつかはこんなものを引き取ってみたい」そんな想いにかられるんです。

それのひとつが平櫛田中。


千代田区平河町のお客様からの依頼

千代田区平河町

この買取のきっかけは、昨日の夕方。

明日来れますか?

そんな電話が入りました。都内は急な積乱雲の影響で、ゲリラ豪雨に見舞われ店のものを店内に避難させてるところでした。

電話の内容は、不要になったガラクタなどをどうしても明日には片付けたいので来てほしいとのこと。

どのようなモノか質問しても、「ただのガラクタかも知れないけれど、一度見てください」の一点張り。

ただ、どことなく品のある、それでいて「買入れ本舗さんでないと駄目なの」という私を信頼している感が節々に感じられたので、お客様宅へ伺いました。

場所は、千代田区の平河町。

すぐそこに「国立劇場」がそびえたつ、まるで日本の中心部に澪おいている錯覚に陥りました。さっそく、車両を駐車してお目当てのG様のお宅へ。


平櫛田中と突然の遭遇

平櫛田中

「今日はありがとう、昨日の今日で大変だったでしょ?」

お出迎え頂いたのは、背筋のピンとしたちょっと細身の、それでいて芯の強そうな奥様。あまり詳しくは聞かなかったんですが、近々で今のお住いを売却されるんだとか。お電話で急いでいたのもこれがあったんですね。

さっそく、お部屋にご案内頂き、2階の一室に通されました。
薄暗く、カーテンから外のこぼれ日が目に眩しい、そんな一室。

そこには、今回連絡頂いた奥さまが、まとめたであろう一塊のお荷物がまとまってました。古いバックや木箱に入った食器など。

ひとつひとつ丁寧に拝見させていただくと、その中には銅箱に収められた置物が2点ほどあります。

このとき妙な胸騒ぎがしました。
たまにあるんです、こんな現象が(笑)

期待と、そして思っていたのもではなかった時の落胆を最小限にとどめる慰めの言葉をつぶやきながら、おもむろに銅箱を開きました。

そして、2つ目の木箱に入っている彫刻品を見たとき、脳天に稲妻が走りました。

それが平櫛田中の彫刻でした

G様は、急ぎのご様子だったので、早めにことを済ませたいご様子でしたが、私の中では非常に思い出深い仕事になりました。


古美術品などの引き取りはお任せください

平櫛田中の作品は多くの彫刻コレクターの中でも今も根強い人気を保っております。

買入れ本舗では、東京都内近郊での、平櫛田中をはじめとする、著名な彫刻家の作品の買取に力を入れております。

新宿区南元町での陶磁器の買取り。島岡達三の買取り。

, , ,

本日は、新宿区の南元町のT様のお宅から、島岡達三の花瓶を買取させて頂きました。

古めの箱に納められた、縄文象嵌の達三の作品でした。

「今日中に来れますか?」

どうしても今日中に片付けたい品物が有り、ガラクタかも知れないけれどという、何となくハスキーな女性の声に誘われて、四谷三丁目の先、津之守坂入口の信号を右折して、お目当てのT様のお宅へ。

お住いの売却の関係で急ぎの事情が発生したとのことでした。

私が着いたのは、夕方の5時ころ、狭い階段のお二階の薄暗い部屋に一塊のお荷物の山。

ガラクタなんて言うのはとんでもないお話で、古い桐箱に納められた花瓶がいくつか。

傷みは激しいものの、和本の山。

やはり痛んでいるものの、古いバッグたち。

その中の一つがこの花瓶でした。

島岡達三 縄文象嵌花瓶

島岡達三 縄文象嵌花瓶

T様は、荷物が無くなればよしとの事でしたが、思わぬお小遣いを手にして、夕闇の中で気持ち良く送って頂きました。

島岡達三の作品は多くの陶磁器の中でも根強い人気を保っております。

買入れ本舗では、東京都内近郊での、島岡達三をはじめとする、有名陶芸家の作品の買取に力を入れております。

 

 

文京区大塚の買取。13代柿右衛門の酒器セット

, , ,

文京区大塚の買取

「失礼ですけど、戦後ですよね?」

「そう。ギリギリねっ」

勇気を出して尋ねてみました。今日のお客様、文京区大塚にお住いのA様。恐らく、お一人暮らしのご様子。                                                                                                                                                                           昭和20年11月のお生まれだそうです。まさしくギリギリの戦後生まれの方でした。

そろそろ、身の回りの整理を始めたいと言う事で、本の整理をして欲しいとの事。                                   美術全集、土門拳の写真集、その他、女性の細腕には荷が重い、昔流行ったハードカバーがかなりの量。正直私も、到底欲しいとは言えそうもない品物達です。正しく整理のお手伝いです。

マンションの10階、女性一人ではかなりしんどい作業です。

私の額に薄っすらと汗が滲み始めた頃、「ついでにこれもお願いします。」

13代柿右衛門の買取

テーブルの上に目をやると見慣れた桐の箱が5つ、6つ。13代柿右衛門の箱書があります。数の多いシリーズですが、私の好きなアイテムです。

13代柿右衛門

13代柿右衛門

13代柿右衛門

13代柿右衛門

ついでに食器棚の中のもいいわよと言われて、オークラのカップソーサー、源右衛門の小鉢、バカラのロックグラスなどを頂く事になりました。

「頂いて行っちゃって、いいんですか?」

「もういいのよ。何となく。早めに整理しようと思って。」

重い本の整理が余程気に入ったご様子で、私の買取金額も、手でさえぎりながら、「そんなにいらないから」との事でした。

帰りの車、本の重さでタイヤが泣いてました。何と無く秋模様の今日の大塚の買取でした。文京区大塚のA様、有難うございました。

買入れ本舗では、古い物、古美術品の買取をさせて頂きながら、皆様の身の回りの整理のお手伝いもして居ります。                                                                                                                                                           どうぞお気軽にお電話下さい。➿0120-5394-55

 

相変わらずのガラクタ整理。諏訪蘇山との出会い。

, , ,

豊島区でのガラクタ整理

相変わらずのガラクタ整理に追われてます。

かなりの量が有ります。

ご依頼の方からは、「何も無いよ!ガラクタだらけだよ!」「もし、欲しいのが有れば、自由にして下さい。」と言うご依頼を受け、写真のような、長年放置された、まさしくガラクタの山との戦いが始まりました。時間は3日、2トン車で6台ほどの、ガラクタの処分作業です。

シャッターを開けて二日目の今日、小雨の中の必死の作業。
人数は5人。
暑さが無くて助かりました。
然し、何年も放りっぱなしにされた、箪笥洋服、本、書籍類からは目に見えぬ不気味な埃の攻撃。

諏訪蘇山の香炉との出会い
その中で今日の獲物が一つ。
埃とネズミのふんにまみれた壊れかけた天袋の奥から、小さな桐箱。
埃をどけて、蓋を開けると、中から現れたのは、青磁の小さな香炉。

第2代諏訪蘇山

諏訪蘇山の香炉

箱には「蘇山」の銘。かなり薄い落款でしたが、2代目諏訪蘇山の作品とお見受けしました。

知らぬ間に時刻は4時を過ぎ、あたりはあいにくの天気でまさしく夕闇が間近。

取り敢えず、今日会えたのは、蘇山が一つ。
諏訪蘇山の青磁の香炉。

時間の経過、置かれていた条件からはかなりの美品でした。

ご依頼主様に感謝です。

明日また、希望を持って、ガラクタの山に挑みます。

お得意様の不動産会社から依頼された、お店の近く、豊島区千早3丁目でのガラクタ整理の一こまでした。

買入れ本舗は、あらゆるガラクタ、古い物の整理、買取に積極的に取り組んでおります。

ガラクタが思わぬ収入に。
お電話お待ちいたします。0120-5394-55

港区麻布台の買取 古伊万里、角福印のそば猪口。

, ,

先日、港区麻布台のK様から頂いた品物から古伊万里の角福印のそばちょこが見つかりました。

藍の色の美しさの残る古伊万里、角福印のそば猪口5客です。

大鉢、絵皿等は、多少かけが有ったり数が半端だったりしましたが、その段ボール箱の奥の方からきれいな姿で出てきました。

「中にいい物が入ってるから、高く買って頂戴!」奥様に言われて奮発して買取った箱の中から出て来てくれましたので、とてもうれしい気持ちです。こんなに綺麗な、角福、五客には中々出会えません。

お店に見えるお客様に、そば猪口に目の無い、居酒屋の親爺がいます。

昔ほどはお値段を出してくれなくなりましたが、喜んでくれそうなきれいな五客でした。

早速ケースに飾らせて頂きました。

古伊万里 角福印 そば猪口

古伊万里 角福印 そば猪口

 

古伊万里 角福印

古伊万里 角福印

その時、ついでに連れて来た二匹も、犬ではなく獅子のようでした。遠い昔、中国で生まれた様な。

日本産の犬より、中国産の獅子の方が今は人気が有ります。

人の良さそうな麻布台のS様ご夫婦。帰り際に、近いうち、また呼んで下さると仰ってました。

又、狸穴公園の近くに行ければと願って居ります。
有難う御座いました。

 

港区麻布台の買取。狛犬か唐獅子か?

, ,

港区麻布台のお客様

新一の橋の信号を過ぎ、赤羽橋を左折、飯倉の信号を左折して、飯倉片町の信号に至る四角い地域、この地域は、何と無くどんな方たちが住んでるのやらと言う、私にとっては、何と無く近づきにくい雰囲気が有ります。中には、狸穴なんて、何と無く昔懐かしい地名などが残っていたりして。

今日のお客様は、その四角の中に有る、狸穴公園からすぐ近く、麻布台にお住まいのK様ご夫妻でした。

こちらのマンションの2階に移られたばかりで、引っ越し荷物の整理の真っ最中で、不用になった段ボール箱をなんとか処分したくて私にお声を掛けられたそうですが、いくらなんでもここまで来て、空の段ボールだけを車に積んで帰るわけにもいかず、私を呼んだ訳はまさか段ボールだけではないでしょうという事で、やっとの事、不用になった品物の品定めに入りました。

出て来たものは古伊万里の大鉢大皿

長年、居酒屋をやってらっしゃるというご両人、出された物は所謂、古伊万里の大鉢、大皿、絵皿等。

この手の物、一時に比べて欲しがる人が少なくなりました。

お部屋の中に見える、漆塗りの李朝の箪笥、日光彫のチェストに小箪笥。

こちらはまだ手放すつもりは有りませんとの事。

出て来た二匹、狛犬か唐獅子か?

壊れかかった李朝の上蓋を開けて現れたのが、この、石の狛犬、二体です。体重はかなりの物です。

この2匹、もし話が合えば、私が連れて行ってもかまわないとの事。

私たちの仕事で一番大事で難しいのがお値段です。

欲しい人にはお宝でも、逆の人には、無用の長物。

今回の狛犬もまさしくそのようなアイテムです。

評価できるのは、どこでいつ頃生まれたかです。

本体に刻まれた細かい模様が気になりました。

日本で生まれたものではないかもしれません。
狛犬と言うよりは唐獅子の様な気がします。

狛犬か唐獅子か?

狛犬か唐獅子か?

一筋の希望と、見えないリスクを胸に、K様に、お値段の提示です。

K様は、何の未練もないとの事。父上の頃から一緒にいたというお話が私には興味が有ります。お値段はすぐにまとまりました。

私のはかない夢と希望を載せて、狛犬を連れて帰る事になりました。段ボールの山と一緒に。

最初お会いした時、私よりは老けて見えたK様、実は私よりいくらかお若い方でした。
階段の2階から100枚程の空の段ボール箱を下ろすのを一生懸命手伝って下さいました。
階段ですれ違った若くてきれいな女性がじっと我々を見つめてます。
私には振り向く余裕もありません。

私は早く戻って、狸穴公園の近くで出会ったこの2匹が、犬なのか獅子なのかを知りたいのです。

 

東京都 板橋区 向原のお客様。【堆朱の硯箱】、【水滴】の買取。

, ,

東京板橋区向原のお客様。

「これってどうするんですか?」

「それは粗大ごみで、もう区に電話しちゃったの」

私が本日お訪ねしたO様のお宅です。
玄関を入るや否や、下駄箱の横に立てかけられた、のこぎりか何かで、二つに切られ、ガムテープでぐるぐる巻きにされた屏風の様な物。
幾らか時代の有る物ですが、今更ガムテープを開ける気にもなりません。
見ると確かに屏風です。
かわいそうに中に描かれた人物は真っ二つでした。

やはり、「何か、持っていけるのが有れば見てくれない?」
というお声がかりでお邪魔させて頂いたのが、お店から、歩いても5分、車でも5分の、板橋区向原の、白い塀に囲まれた、O様のお屋敷。

一昔前、この辺りには藁ぶきの家がちらほら見えました。
あちこちに畑だらけの長閑な場所でした。

O様もまさしく長閑な方で、私らが喉から手が出そうな物を無造作に、ビニールの袋に入れてます。

多分、重くて触れなかったのでしょう。此の為に私を呼んだのかも知れません
段ボールに5箱ほどの、古本を頂きました。
殆どが車関係の本でした。欲を言えばもう少し古ければ。

矢張り重たいレコードの山。汗をかきながら頂きました。

リフォームをなさるので不用品の片付けをなさってました。

堆朱の硯箱

先程のビニール袋の中から私が助けたのが、この硯箱でした。
ちょっと古めの堆朱の硯箱が一つ。

堆朱の硯箱

堆朱の硯箱

唐金の水滴

中におさめられた水滴が一つ。唐金製の中国風の可愛らしい一品。

水滴

水滴

O様、お願いですから、こういう物をお捨てにならないでください。

とにかく、有りがたく頂戴してまいりました。
僅かなお代を差し上げると、O様の金色の眼鏡がピカリと光りました。

有る所には有るんです。

帰り際白い塀から覗いていた可愛い梅の花です。

梅の花

向原の梅の花

堆朱(ついしゅ)は、中国漆器を代表する技法である彫漆の一種である。彫漆とは、素地の表面にを塗り重ねて層を作り、文様をレリーフ状に表す技法を指すが、日本では表面が朱であるものを「堆朱」、黒であるものを「堆黒」と呼ぶ。ちなみに中国では、黒漆の層に文様を彫り表したものを「剔黒」、朱漆の層のものを「剔朱」という。通常の漆は硬くて彫刻が困難だが、油を混ぜることで、軟らかくなり彫刻が可能になった。
水滴 硯(すずり)に使う水を入れておく容器。水注。水差し。

目黒区上目黒で【雛人形】、【彫刻】の買取、【ブロンズ像】の買取でした。

, , ,

目黒区上目黒の買取

山手通りを青葉台1丁目で右に折れ、蛇崩の五差路を祐天寺方向、上目黒4丁目方向にハンドルを切るとその古い一軒家が現れました。
入口の木戸をあけ、石畳を過ぎた玄関を開けるとその方は車椅子の上から、私に鋭い眼差し。背中に一瞬緊張が走ります。
私はすぐにお客様の年齢が気になります。
それは私自身の年齢のせいかも知れません。
横に立っておられる方が、私を呼んで下さったK様かも知れません。
黒縁の太い眼鏡の、いかにも穏やかそうな恰幅の良い、60前後に見える、チョッと白髪の男性の方です。
車椅子の女性は、恐らく、80歳は超えてらっしゃるかも知れません。

雛人形、洋人形の買取

私への依頼品は、雛人形と、何体かの洋人形でした。
箱書きから、雛人形は、昭和5年頃の物でした。
顔の白さにひかれましたが何せ古いもので、箱は壊れ、服は破れ、数はかなり不足し、評価にはかなり難しい物でした。洋人形は、かなり汚れ、傷みのひどい物たちが10体ほど。
古い物が有るんですけどと言うお電話でお邪魔いたしましたが、評価の難しさを申し上げました。

先方様は、何とか私に、処分をと言う申し出です。
石畳の雰囲気と建物の古さが、私は気に入ってます。

ブロンズ像の買取

いつものように「他に何か不用の物は有りませんか?」と言う私の申し出に、案内された半地下の納戸の一番奥にひっそりと佇んでいたのがこのブロンズ像でした。
眼と眼が合いました。
「私をここから出して下さい!!!」

話はすぐにまとまりました。

たまたま近所に、うちのスタッフが2名居りました。
雛人形と、洋人形の積み込みの終わる頃現れた男二人と、体の弱い私と、三人でやっとのこと、彼女を陽の目のあたる場所に連れ出す事が出来ました。
恐らく、100キロは超えると思います。
逞しく、スタイルの良い女性が一人、私の目の前に現れました。
残念ながら、作者名は今の処、不明です。年齢は54歳と見えますが、49歳かもも知れません。

落款、サイン

落款、サイン

IMG_3176

落款、サインから、御存じの方、どなたの作か教えて頂ければと思います。
彼女は今、私の矢張りうす暗い倉庫の中で、次の嫁ぎ先を夢見ております。
私の所に来てからは、表情が少し明るくなったような。
素晴らしい女性と合わせて下さいました目黒区のK様、有難う御座いました。

東京,新宿,西落合の買取。【ラッパ型】【蓄音器】の買取。

, ,

最近の買取事例

最近、60過ぎの男性の方に良く呼ばれます。

殆どの方が、御両親の御逝去後の、お住まいの整理片付けです。

有る程度、御自分で整理なさった場合、そこに残されているのは、箪笥、本箱、介護のベッド、布団、人形、それと小さな仏壇とか。

何故か箪笥の中の着物、本箱の書籍類は空っぽになってます。

処分なさった経緯、売却で手にされた金額等の話を聞くたびに悲しくなります。

広告の上手な業者様が羨ましくなります。

悲しんでばかりはいられません。

残された物達の中に、私と出会いたい物が必ず有るはずという信念で、いつもの家探しが始まります。

新宿区西落合の買取

この度お邪魔した新宿区西落合のH様のお宅もまさしく、その通りの築50年は過ぎてる木造の2階建てのお宅でした。

出迎えて頂いたH様。

本当に長閑な人生を送られたであろう、穏やかで、愛想のとてもよろしい、60を超えたばかりに見える、丸顔の、とてもお元気そうな男性の方でした。

全て処分するので、何か買えるのが有ればお願いしたいとの事。
所謂、遺品の整理です。

不燃物だと仰る、食器の入った、段ボール箱から、スワロフスキーのガラスが5,6個。
ヘレンドのカップソーサーがワンセット、その他ノリタケオークラのお皿数点を助け出し、ベッドの脇のナイトテーブルの上で、埃のかぶった白い風呂敷の中から現れたのがこのラッパ型スピーカーの付いた蓄音器でした。

ラッパ型蓄音器の買取

取り説が有りました。
昭和62年頃のメイドインフランスの蓄音器でした。所謂復刻版です。
父上の物だそうです。H様には御不用の事。

ラッパ型蓄音器

ラッパ型蓄音器

この時期のご購入とすれば、多分、目の前のH様とほぼ同年齢でのこの商品のご購入かなと余分な事を思いながら、その当時の何と無く豊かで、のんびりした日本の情景と、これを手にしたH様のお父上のお姿などを、思い浮かべながら、大切に車に積み込み西落合を後にしました。

車のガラス越しに見えるいつもの哲学堂の桜達。
やがて訪れる今年の春に備え、残り少ない厳しい寒さを必死にこらえる姿。
私の好きな場面です。

店に戻り、ゼンマイを巻くと大きなスピーカーから懐かしい音色が流れました。
西落合のH様、有難う御座いました。