今日は暑さの店で、【古い人形】達の【買取】でした。

, ,

今日のような、全てが暑く、気だるく、重たい日、一番は、水風呂に冷たいシャワー。
早めに店を閉め行きつけの銭湯へ。
相撲中継中でもあり、静かな湯船を期待して。
ところが何故か、いつの日も人が少なく静かな銭湯が、今日は人がいっぱい。
水風呂目当てで来たものの、水風呂に中々隙間が出来ません。
熱いバブルを浴びながら、横の水風呂を眺める私。
今日は何と無く、皆様、水が恋しい日だったのかも知れません。
出て見るとまだ相撲の中継中。いつ見ても似たような千秋楽の場面。

暑く気だるい今日の午後、 店に連れて来られたのがこの人形たちです。

「人形、持って来ても良いですか?」
「人形に依ってですけど、、、」
で、待つこと小一時間。
ドイツ製の車に乗せられてきました。
胡粉の雛人形、加賀人形、獅子頭、銀製の小槌、唐金の牛の香炉、馬の置物、その他行き場の無い人形が何体か。

唐金の牛の香炉と、馬の置物

唐金の牛の香炉と、馬の置物

汗の引くようなサプライズは有りませんが、幾つかは眺めてる間だけは、一瞬、午後の暑さを忘れさせてくれました。
車の御主人は、如何様に処分した物か、困っていたそうです。
この暑さの中、連れて来られた人形達。さっそく新しい嫁ぎ先を探すのが私の役目です。
加賀人形の2体が暑さの中けなげに見えました。

新宿区坂町で、【洋酒】、【サントリー山崎】の買取でした。

, , ,

ひもが半分解けた新聞紙の塊、紫色の古いラジカセ、黒いヘルメットなどが無造作に置かれた、体がやっとすり抜けられる、薄暗い、踏むと音の出る、濃い茶色の木製の階段を2階へ通されました。洗い物がヤマになってる流し台を右に見て、笠の無い裸電球の光に誘われ、遮光のいかにも重そうなカーテンのかかる部屋に通されました。

「病気の者が寝てますが、買取は可能ですか?」
昨日の夕方、若い女性の声のお電話でした。
確か、東の空に現れた鮮やかな虹に見とれていた私の口からは「問題無いと思います。」
虹の色と、女性の声、しっかりと今日の現場の住所がメモされてました。

裸電球の部屋の隅の畳の上には布団が一つ。上には紫色のタオルケット。
タオルケットの中には人の気配。かすかに聞こえる息の声。
女性はやや疲れた感じの、30前後のグレーのスェットの上下の方。
顔の小さい、髪の長い、綺麗な方でした。
事情が有り、間もなく、この場を退去するに当たり、買える物が有ればお願いしたいのこと。
寝てる方の枕もとに掛軸らしきものが見えました。
お声を掛けて、枕を踏まぬ様気をつけながら、掛軸の方に向かうと同時に紫色のタオルケットが大きく動き中から矢張りグレーのスェットの男性が、いきなり起き上がるんです。
ほほはコケ、両目が異様に大きく真っ黒な瞳が二つ。
突然で、適当な御挨拶の言葉が見つかりません。
トイレに向かった男性に目をやる私の後ろから小さな声で「父です。癌なんです」
「えーっ!!!」
確かにスェットからは殆ど肉の気配が見えません。
歩く姿が不思議に見えます。
何でこのような方がここに居られるのか、とっさに判断しかねます。

申し訳ありませんでした。
私を呼んで頂いた、新宿区坂町のM様。
私も体調が完ぺきでは有りません。
又今日の暑さも半端ではありません。時間は午後2時ころでした。
私には部屋のほの暗さと、湿気の多さが先程から気になってます。
ここでこれ以上呼吸を続ける事が、私に必要な事なのか、可能な事なのか考えました。
色々な品物に恋焦がれてこの仕事をやってます。色々な方と出会うのも私の仕事の楽しさの一つです。
私は自分の体を思い一つの決断をせざるを得まえんでした。
額の汗をぬぐう私の目の片隅に、本の無い本棚が一つ目に入り、棚には数本の洋酒のボトル。
父上が死ぬほど大事にされたものだそうですが、手放すことに決めたとの事。それがよろしいと思います。

ニッカのウィスキーが有りました

ニッカのウィスキーが有りました

レミーマルタンが有りました

レミーマルタンが有りました

一生懸命買わさせて頂き、父上のもどられる前に、転がるように新聞に躓きながら、細い階段を後にしました。
店に戻り、ボトルを前にしながら、今日の父娘の事が気になります。
ふがいない自分に腹が立ちます。
なぜもう少し、他の物たちに目を配れなかったのか。
M様、本日はお声を掛けて頂き有難う御座いました。
これからの頑張りを願っております。

港区高輪での買取。津軽三味線の買取でした。

, , ,

やっと値段が折り合いました。
三味線を習われて40年以上が過ぎたそうです。
奥様と御一緒に熱心に勉強されたそうです。
3年前に奥様が他界されてからは、撥を握る気にもならず、やっと今回の津軽三味線を手放す気になったとのことです。
何年か前に、何百万円かで買われたそうです。
今日呼んで頂いた、M様の、思いと、思い出と、人生が、たっぷりと詰まった太い棹でした。
FullSizeRenderIMG_1260
かといってこちらも商売です。
情で値段は決められません。
人生と、値段の話でかれこれ1時間以上。
私のカップには冷めたコーヒーが半分ほど。
御自分の前にはいつの間にか、氷がたっぷりの焼酎のロックのグラス。
時間は午後の3時。
こちらに到着してから間もなく2時間です。
時は金なり。
逃げるが勝ち。
サイドボードの上に並べられた銀のトロフィーに思い切った値段をつけました。
一件落着です。
港区高輪1丁目の、ほんとに静かな長閑な、M様宅を後にする事が出来ました。
M様本日は呼んで頂きまして、有難う御座いました。

千代田区平河町で、有田焼の和食器【館林 源右衛門】の和皿の買取。

, , ,

山手通りから、新目白、飯田橋を超えて九段坂下の信号を右へ。
今日は平河町に呼ばれてます。
いつの間にか緑に変わった沿道の景色。
緑が濃くなりました。
九段の坂下から坂上の、右手に広がる、靖国の杜の緑はすっかり夏の色に変わってました。いつの間にか。
土曜日の平河町は人影、車もまばらですが、パーキングを利用した方がいいという、私を呼んでいただいた、黒のワンピースがお似合いの面長の、K様のご忠告に従い、料金の高そうなコインパーキングに車を止め、素敵な玄関へ。
小粋な雰囲気の可愛い料亭でした。内装を変えるので中の物を整理なさりたいとのことでした。
一度はこんなお皿に乗った料理が食べられたらと思う、器、グラスがあふれてました。
惜しむらくは、ほとんどが新品ではないということです。
その中で、私が今日、買わせて頂いたのが源右衛門のお皿たちです。
底の汚れに見合ったお値段を申し上げると、K様は、黒い洋服の背中の方から、結構ですよと気持ちの良いご返事。

お店の厨房の棚の中から取りあえず頂いたのが、写真の源右衛門の食器たちです。
惜しいのは、皆、数が足りない事。

館林源右衛門の和皿

【館林源右衛門の和皿】

 

一汗かきました。小一時間かかりました。
コインパーキングが気になり、料金に驚きながら、店から見えるところに移動です。

今日だけでは、整理しきれず、次の日取りを決めさせて頂いて、平河町を後にしました。

SAEKOのサーバーで入れて頂いた、エスプレッソを前にして、お支払いをさせて頂いてる間、K様としばしの世間談義。
お話を聞けば聞くほど、K様は人生の日向以外の道を歩いた事が無いよう方の様な気がしました。
うらやましい限りです。
帰り際に、大きな声で、あの冷酒用のデキャンタのお代、頂いたかしら?との声を聞き、なんとなくほっとして帰りの車にキーを入れました。
駒込と、埼玉にもかなりの品が残っているとのこと。
楽しみにしております。
本日は大変有難う御座いました。平河町の黒がお似合いのK様。

台東区台東での不用品処分、ピアノの解体。

, ,

いろいろな依頼に応えます。
今日はアップライトピアノの解体でした。
上の写真は殆ど解体されたピアノの残骸の一部です。
売却用住宅に残された、不用品一式の処分作業を頼まれました。
上下で5DKくらいの戸建ての2階に置かれたアップライトピアノがどうしても搬出できません。
やむなく解体です。
うちのスタッフの、AとY、二人で1時間半ほどで壊れました。
思ったより早く終わりました。
今年、50歳の二人の作業にしては、かなり上出来でした。
依頼主のA様も、横で見ながら、何とかほっとした御様子です。
A様は横浜にお住まいです。
なぜかうちのホームページを見て、台東の実家の今回の作業を依頼して下さいました。
私もかなり低い金額で、お受けしてしまったようです。
かなりの量の処分品達です。
IMG_2161IMG_2162
今日だけでは終わりません。
来週の日曜日まで時間を頂き、きれいに仕上げるつもりです。
A様が、私の趣向に会った物を、幾つかとっておいて下さいました。
私はこれで満足です。吟味が終わった後、写真に出来ればと思います。
A様今回の御依頼有難う御座いました。来週には終了致します。
来週にはさっぱりした写真、お見せできると思います。

豊島区、千早で、古銭の買取。

, , , ,

手で持っていくにはちょっと重そうなイスが売れました。配達することになりました。
元気なお母様です。
うちの店から5,600メーターの、静かな千早町のお宅まで、私の車でお送りしました。
ここに置いてくれる?と言われて、本棚というか書斎というか、とにかく本だらけのお部屋に、配達を済ませました。
本をイスまで運ぶのではなく本の前にイスを置きたいとのことでした。
長いこと、教壇に立たれてたとの事です。
眼鏡の奥、唇の動きに雰囲気があふれてます。
おびただしい本の数です。いらない本は御座いませんかとの私の問いに、引き出しから出されたのが写真の紙幣でした。
これって買ってもらえるかしら?
額面にして2万数千円でした。結局2万数千円で交換させて頂きました。まだ、プレミアを付けるほどの物ではありません。ほしいのが何枚かありましたので、額面よりは、多少多めで交換させて頂きました。
イスの代金が浮いたと言って、喜んで頂きました。
まだこれ以外にも、有るかも知れないという事です。私もそう思います。
また是非呼んでほし物です。今日は千早のA様有難う御座いました。

新宿区下落合で、こんなもの買いました。金の獅子頭。

, , ,

昨日、目黒からの帰り寄った新宿の下落合。
目白の駅から入った静かな住宅街の静かなマンションの3階のお部屋に呼ばれました。
迎えて下さったのは、年のころやはり60は超えたかどうかの、素敵な奥様。
胸元のエメラルドのネックレスが輝いてました。
出されて来たのが、写真の獅子頭。それも金色の。北陸の方の知人からの頂きものらしいんですが、置き場所が無くなり、何とかしたいとのこと。
こういう物は骨董としての評価はまず無理です。
ほしい方がいるかで、価値が決まりますが、その場で私は、適切な金額を提示できませんでした。
奥に戻られた奥様が手にしてきたのが、 やはり頂き物で申し訳ないと出されたのがこの冶兵衛の銘入りの菓子盆。
IMG_2446

村瀬冶兵衛作だと思います。
これもどうぞと頂いたのが秋田の桜の皮細工の茶入れ。
IMG_2435

私は木で造られた物に弱いんです。頑張って買取させて頂きました。
続けてこれはいかがと出されたのがエルメスのプレート。
IMG_2414

獅子に叱られないようお値段頑張って、素敵な奥様の笑顔を後にしました。
今日はあいにくの冷たい雨です。
ゆっくりと品物整理ができそうです。
昨日は、鷹番、下落合の素敵な奥様方、有難うございました。

目黒区鷹番で、フェイラー、印伝のバッグの買取りでした。

, , ,

今日はまず、目黒区の鷹番に呼ばれました。
まるで姉妹に見えるような母子のN様ご一家でした。
私を待っててくれたのは、ほとんどが家電製品でした。
お二人の可愛さに負けて、甘い買取金額が口から出そうになりましたが、ぐっとこらえました。
テレビ、ブルーレイレコーダー、ルンバの掃除機などが出て来ましたが、全て製造から5年が経過した物ばかり。
残念ながら、全ての品が、買取対象としては無理でした。
折角呼んでいただいて無料で帰るのも忍びなく、お部屋の中を眺めていると、娘さんがこれはいかが?と持って来られたのが、このフェイラーと印伝のバッグです。両方とも好きなアイテムです。

IMG_2462IMG_2463

家電製品の方は極めて低い査定額、二つのバッグの買取りで、何とかお二人の笑顔に出会えました。
次のお宅は、確か、目白の近くでした。車が少なく、流れの良い日曜の山手通りを店の方に向かい、たどり着いたところは、新宿区の下落合、目白の駅からちょっと入った、静かな住宅街にある、静かなマンションの3階でした。この辺りは車を置くのに苦労します。時間の都合で、この次は次回になってしまいました。目黒、鷹番のN様有難うございました。

文京区、根津の遺品整理で、恵比寿大黒様。

, , , ,

今日私を呼んで下さったのはこのお二方でした。
先日遺品整理のお手伝いで伺った文京区、根津のM様から、朝お電話が有りました。
「お時間有りますか?」
もう解体に入ってると思ったら引っ越しに時間がかかり、今日がタイムリミットで、このお二方を引っ越し先まで連れて行こうと思ってたところ、どうしても収める場所がなく、解体で処分されるのも忍びなく、私に何とかならないかというご依頼でした。
私は前回丁重にお断りした記憶が有ります。大きな黒い金庫の上に鎮座してました。
ほかに何か残ってませんかと聞くと、やはり、運ぼうと思ったけど、やはり、いらなくなった、着物が少々。
電話代くらいのお代しか置けませんでした。
お店までお連れして後ろのドアを開けた時のお二方の笑顔がこの写真です。
お連れするときは詳しくお顔を拝めずに来ましたが、うちに来たのがそんなに嬉しかったのと声をかけたくなるような見事な笑顔でした。
本来、恵比寿様、大黒様の笑顔はこんなものかもしれませんが、うちでもいつか大きな金庫の上に座って頂ければと思いながら、取りあえず今日からは店の片隅で我慢していただくことに。
帰り際過ぎてきたいわゆる谷根千の道筋、今日は人が出て賑わってました、飴屋さんの前とか鯛焼き屋さんの前とか。
小雨が有りましたが、お陰様で、春ののどかな街並みを拝めました。
取りあえず、本日も呼んで下さった丸顔の可愛い根津のM様、有難うございました。

ご利益がありますように。

 

新宿、西落合の、鼈甲撥の買取り

, ,

先日古銭を持って来られた、新宿、西落合のA様が見えられました。
しわしわの風呂敷から取り出された2本の鼈甲撥。
風呂敷を解く手を見ると去年よりはAさんも幾分しわが増えた様。
象牙の柄とプラスチックです。
ご自分で長年使われたものです。

相当お好きだったようですが、残念ながら象牙の方、撥の顔にはかなりの小キズと、にぎりと尻には、小さなワレが見えます。
ケースは有りませんでした。

IMG_2396IMG_2397
買取り金額を告げるのに胸が痛みます。今回もご希望の金額に行かないと思います。
金額には納得をして頂き、コーヒーを飲みながら、しばし、世間話。
話が好きで、始まると中々止まりません。よく聞かされるのが過去のご自分の華やかな頃のお話です。
今日始まったマスターズの試合とご自分の過去のゴルフの経歴の話が、器の中のコーヒーとミルクのように程よく混ざり合ってます。
この次は使わなくなったキャロウェイのゴルフクラブの買取りを頼まれました。
頑張ってくださいA様、今日は有難うございました