デンマークのローズウッドのデスク・チェアとの出会い|世田谷区代沢にヴィンテージ家具の買取
世田谷区代沢の解体前の一軒家で不用品処分
2018年はすぐそこ、というような冬空に包まれて、
今日は環七通りを走り世田谷方面に。
そして、新代田駅の交差点を左に折れて、代沢へ。
世田谷代沢郵便局からほどなくにある、かなり歴史がありそうな古い一軒家が今回の依頼主であるW様のお住いでした。
お話によると、このお住いを近日中に解体されるそうなんですが、その前にご自身が保有されている思い出の品を整理したいとのことで、買取を依頼されました。
未使用・使用済みの古い食器の査定
依頼主のW様に対面した瞬間から、
何か告げたい言葉が有ったんですが中々見つかりません。
なんでも、30年以上にわたり翻訳のお仕事をされていたんだそうです。
当時では珍しい帰国子女の方で、英会話の講師から自分が本当にやりたかった仕事の翻訳をされてるんだとか。
食器はW様のこだわりが色濃く出ている素晴らしい物たちでだったんですが、私達、専門業者が引き取りするには難しい物ばかりが目立ちます。
「いい品なんだけどねえ、ちょっと買取するには難しいモノ達ですね」
残念ながら今回は食器の買取はお断りさせて頂きました、
すみません・・。
書斎にあったローズウッドのデスク・チェアを査定
食器の量が思っていたよりも多く、この段階で1時間以上経過してたんですが、書斎に入りやっとのこと見つけ出したのがこのヴィンテージ家具たちです。
ローズウッドのデスク、そしてチェア。
いわゆる、「北欧デザイン黄金期」にあたる数十年前に生産された家具なんです。最大の特徴は木部にローズウッドを使用しているところ。
チェアに関してはPVC張りになってます。
シンプルな中にも、北欧らしいデザイン性が感じられるんですけど、中古のリサイクル市場でも女性の方に特に好まれてます
査定のポイント
ただ、難しいんです、この手の査定は・・。
この家具たちはW様の翻訳中に使われていたもので、正直使用感はかなり感じられました。
ただヴィンテージ家具なんで、旦那様的には「良い状態」という認識のようで・・。
このような状態のヴィンテージ家具の査定は困難を極めます。
ヴィンテージ家具に限らずなんですけど、この手のものは普段からのお手入れがモノを言うんです。また、家具にも流行(りゅうこう)がありますから、時代のニーズに添ったデザインであることも査定のポイント。
そんなこともあって、今回の価格の提示はかなり安いんですが、
W様の中ではかなりショッキングな数字だったとお察しします。
ただ、私の提示はそれ以上は困難とお伝えせさせて頂いたんですが、T様は、あっさりとOKをしてくれました。
好きな人にはお宝でも、そうでない人には何でも無い物。
そういう物の買取って難しいんです。
後ろでギシギシ音立てる家具と一緒に、環七通りを走りながら、思い出しました。何かT様に言い残した事を。
W様、そっくりなんです、ノーベル文学賞に選出されたカズオ・イシグロに。
今後はご自宅を売却されて、悠々自適に神奈川県の逗子で暮らすんだそうです。今時期の逗子は寒そうなイメージだったので、ちょっとぶるっとなっちゃいました。
カズオ・イシグロにそっくりのW様、今日は呼んで頂きましてありがとうございました。
逗子ではのんびりと、W様らしくお過ごしになってください。
帰り際の道で、サンタクロースの衣装を着た方が、店の駐車場に車を誘導してました。
今日はクリスマスでしたか。
「メリークリスマス、ミスターローレンス」
昔見た、戦場のクリスマスでビートたけしが言ってた言葉を社内で呟きながら、千川へ。