人間国宝「角谷一圭」の鉄瓶を買取|東京都文京区本駒込にて不用品の買取
「あんたのところのホームページが、一番信頼出来そうでね」
ありがたいお言葉です。
iPhoneの文字の大きさを最大にし、分厚い度のメガネで当店のホームページを私に見せてくれました。
お客様の年齢は89歳。
スマホを捌く指先は軽やか。
いやはや本当に恐れ入ります。
M様にどうやってうちのホームページに辿り着いたか確認してみると「そんなの覚えとらんわ」との事。
春日通りから拓殖大学を左に見つつ、細い路地の終点の様な一角の、おそらく築50年は経過しているであろう、一戸建てのお宅。
一人住まいとの事で、
二重にびっくりしました。
今週の月曜日にも御高齢のお客様にお会いしましたが、この方はさらにその上をいきます。
施設入居前の不用品片付け・買取
お話によれば遡ること令和元年、長く寄り添ってきた奥様が旅立ち、お一人でここまで来たとの事。
しかしながら高齢によるコンディション低下が顕著に出始め、いよいよ覚悟をされて、いわゆる老人ホームへの入居を決断されたそうです。
「田村さんと言ったっけ??とにかく住まいの物すべてを整理したいんよ」
との事。
木村です、という訂正を喉の奥にしまいこみ、かくしゃくとしたお体からの御依頼のお言葉。返す言葉が有りません。
大先輩あたる方から白羽の矢を立てて頂いたのは光栄の至りですが、そんなに簡単な事ではありません。
おそらく、長い時間を掛けた後の決断で呼ばれた以上、何とか力になりたいのは山々ですが、最終的にいつまでに整理したいのか、ご家族様の存在とかを確認させて頂きました。
人間国宝「角谷一圭」の鉄瓶
そんな中、とっかかりとしてM様がひとしきりまとめられていたコレクション品を見させて頂くことに。
すると思いもよらない出会いが。
その中に人間国宝「角谷一圭」の鉄瓶が含まれていました。
少し余談になりますが、角谷一圭はその技術レベルや作品の魅力はとても高く評価され、74歳のとき重要無形文化財保持者に認定されています。
こんなところで出会うなど数奇なものです。
銀の摘、銅の取手、
お見事という他、言葉がありません。
この手の作品はどんなに時代が変わってもコレクター需要は高いものがあります。
当然ながら、
査定額も跳ね上がるのは至極当然の事。
想定外に価値のあるアイテムだったため、途中、銀行へ向かい買取額を補充してM様へお渡ししたのはちょっとした笑い話でしょうか。
取敢えず、M様納得の金額で買取しました。
更に、次の訪問日を決めて、
帰ってまいりました。
この続き、書き込めるよう頑張るつもりです。
文京区のとってもエッジの効いたM様、この度はお声がけ頂きましてありがとうございました。
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