倉庫整理中に出会った「小松均」の作品|中央区日本橋で木版画の買取
日々のこなさなければいけない業務の数々。
なんとなく忙しかった私は、ちょっと気分の転換が必要だと感じてました。
ある脳科学者が
「場所と雰囲気を変えることにより、新しい発想が芽生え、すべての仕事にプラスの作用をもたらす」
そんなことを小耳にはさんだとことがあります。
中央区日本橋に倉庫の整理・片付け
気分を転換するには、いつもと違う街並みに身を置くのもしかり。今日のお客様からの出張依頼の場所は東京のど真ん中。
わたしの気分を盛り上げてくれるには、うってつけの場所です。
この町はすれ違う人も、そして車も気品を感じるというか。私が住んでる町とは、一味ちあう風情を感じるこの場所は、好きな街のひとつです。
お伺いしたのは、中央区日本橋。
自宅を売却されるにあたり、敷地内にある倉庫を整理して欲しいという依頼です。
倉庫内で小松均の作品との出会い
そして私は薄暗い倉庫の中で、まだ初秋の暑さの残る中、額に汗をつたわせつつ、一人、品物整理です。
そこで今日はこんな”大和撫子”との出会いがありました。
暗い倉庫内の、ずいぶん昔に組まれたと思われる木製の棚の上に額がひとつ。
小松均の版画です。
私の記憶が確かなら3年前の丁度今頃、小松均作の別の版画を新宿の神楽坂で出会った記憶が蘇りました。
あれから3年、久々の出会いでのちょっとした興奮により、さらに額からの汗が滴り、いったん倉庫から出て、少し大きめの深呼吸。
人が滅多に入らない暗い倉庫の奥のでじっと待ってたんですね。
初秋の澄んだ陽の目に出会うのを。
小松均の版画
この子も、この世に生まれ、かなりの年月が経ってると思います。
小松均と言えば、別名「仙境の画人」と言われるほどの人物。
京都近郊の大原に住み、大原の風景を題材にした作品を多数残してますが、最終的には「文部大臣賞」を受賞するなど数々の功績を残してます。
「写実を尽くして写実を捨てろ、しぜんを追求して自然を離れろ」
この思いを胸に、墨線による表現を模索し力強い独自の作風を確立していったのが特徴なんです。
小松により、命を吹き込まれたこの版画の女性は、久しぶりにこの世を見てどんな気持ちでしょう。
思い切った査定
倉庫の整理も終わり、依頼を頂いた奥様とお茶を飲みながら小休憩。それとなく、私が一番気になっていた版画の話をすると
「持って行って下さい。早めに色々な整理をなくちゃならないの」
売却が決まり、その後の解体などの予定が、間もなく迫ってるとのことでした。
私も大分奮発させて頂き、引き取らせて頂きましたが、後から「ちょっと頑張りすぎたかな」と少しだけ後悔。
しかし奥様は満面の笑み。
仕事を多くこなしてればこんなことは良くある、と自分を慰めて(笑)
良く晴れた夕空に、風で流れる大きな雲がひとつ。
そいうえば、8月の雲は遠目に積乱雲とわかる渦を巻いたような雲が多かったんですが。
もう終わるんですね、夏が。
四季の移り変わりが年々早く感じる今日このごろ。
日々の業務ですこしだけ刺激が欲しかった私は、この日本橋の1コマで普段の私に戻れた気がします。
木版画などの引き取りはお任せください
今回のような小松均などの作品はコレクターの中でも今も根強い人気を保っております。
買入れ本舗では、東京都内近郊での、著名な作者の作品の買取に力を入れております。