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文京区大塚での買取、【茶道具】、【永楽善五郎の茶碗】。

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「それは私が持って行くの。」
「これも持って行くの。」
私が手にした、鉄瓶や青磁の香炉。
「私は、貴方の欲しいのが、分かるのよ。」

来春、引っ越すので見て欲しい物が有るの、と呼ばれてお邪魔した、文京区大塚の4階建ての古いマンションの4階の一部屋での話です。

元気なお姉妹のお姉様のお言葉です。
妹様は、私は、何もいらないと仰ってます。
結局の所は、私に買えるものが有ったら買って欲しいと言いながら、私が、
これは?」と言うと悉く「残す。残す。」と仰るお姉様。
横で妹様の口が膨れてます。
父上が使っていたと言う古い欅の机の引き出しを開けながら「ここに、眼鏡とか万年筆とか、有りませんでしたか?」
「捨てちゃったわよね~」って
お二人で合唱です。

「他に何か棄てましたか?」
モンブランの万年筆とかかなりの数の銀杯なども棄ててしまった様です。
私はお二人の顔を見つめながら「アホと呼んでいいですか?。」
怪訝な顔で見つめ合いながらお笑いのお二人。
棄てて良いものと棄てては不味いものとかを説明しながら、やっと探し当て、頂いて来たのが、この善五郎のお茶碗でした。

永楽善五郎の茶碗

永楽善五郎の茶碗

こういう物には、余り、頓着が無く、すんなりと譲って下さいました。

他に、ヘネシー、ブランデーが何本か、お琴が2面、箱の無い掛軸が10本程、欅の卓袱台1台、等々を頂いてまいりました。
今年の締めの最後の買取としては、いささかさびしい思いですが、私に楽しく対応して下さった、文京区大塚の気さくなA姉妹様、私にお声を掛けて下さいまして有難う御座いました。
歳の終わりに4階までの階段を10回ほど往復させられ、冬の真ん中で、汗だらけになりながら、車の少ない静かな春日通りを後にしました。

今年は店の真近の生鮮市場にも人出が極端に少なく、本当に二日後に、正月が来るのか、なんとなく寂しいそんな今年の、暮の一日でした。

私には寂しい一年になりそうです、今年は。