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戦前ドイツの旧紙幣「マルク」を引き取り|千代田区紀尾井町の古い解体前のビルにて

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車の混雑する、ちょっとドライバー泣かせの新宿通り。

少しイラつく気持ちを、沿道沿いの紅葉がかった並木が、はやる私の気持ちを落ち着かせてくれました。

今日は用あって新大久保から、四ツ谷を経由して千代田区の紀尾井町へ。
このルートは過去何度も走っている、いわばお決まりのコース。

それでも、紀尾井町までは予想より時間がかかってしまいました。年末特有の、道路工事が車の流れを悪くしてるようです。

早めに新大久保を出て正解でした。
お目当てのお客様宅にはお約束の時間ちょうどに到着。


解体前の古いビルにて不用品の回収

ホッと一息つき、お声を掛けて頂いたH様のお宅のインタフォンをプッシュ。

出迎えて下さったのは、少しやせ目の、メガネの似合うお父様でした。

玄関でちょっとお話を聞かせてもらったんですけど、なんでもお父様が所有されているビルの売却が決まり、建物の解体が始まるんだそうです。

その後、お父様がお出しくださった緑茶を飲み干し、
さっそく各お部屋を拝見させて頂きました。

恐らく、2時間半以上は物色したでしょうか。

残念ながら私の思っている物は何にも出て来ません、私が出会いたい物たちが。
期待していただけに、ちょっとモチベーションが下がり気味に(笑)


ドイツの旧紙幣「マルク」との出会い

仕方なしにお茶を頂きながら、昔趣味でやっていた乗馬の古いアルバムを拝見させて頂きました。乗馬で馬と共に走っている若かりしお父様の写真がほとんど。

その中で、とあるお札がフィルムに挟まってます。

ドイツの旧紙幣「マルク」でした。

マルク紙幣

最初は記念のつもりでとっておいたらしいんですが、途中忘れてそのままにされていたそうです。

ちなみに、ドイツマルクの硬貨と紙幣は2002年に市場から回収されていて、すでに流通はしていません。少なくともドイツに行けば、中央銀行でユーロに交換は出来ますが。

折り目のあるお札もあれば、ピン札も混じってます。

マルク紙幣

「これしか無いですよね?」

いくら探してもこれぐらいしかないだろうというお答え。

それでも、口コミを見てうちの事を選んで下さったお気持ちに応え、ありがたく頂戴することに。

今回のマルク紙幣は、使用されてたか、未使用かでかなり評価が変わってくる代物です。それでも気持ち高めの査定をさせてもらいました。

U様には、大変恐縮だったんですが

「なにか目ぼしい物に出会ったら連絡頂下さい」

と最後にお願いして。

 

帰りの新宿通り。

 

夕日が当たってか先ほど見た沿道の木が、さらに赤くなってました。
早いもので、師走が目の前に来てますね。

紀尾井町の、メガネの似合うU様、今日は有難う御座いました。

解体前の古いお住いで軍需品や家財を引き取り|目黒区青葉台で遺品の整理・片付け

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本日、私を呼んで下さったのは戦時中に激しい戦火を潜り抜けたアイテム。

1か月前に、お部屋の一室の遺品整理のお手伝いで伺った目黒区の青葉台にお住いのD様から、昨日の夜に電話がありました。

 

「明日って、来てもらえませんか?」

 

丁度この時間帯は晩酌中で、少しずつアルコールが体に浸透しつつあった状態。

 

「えっ、あ、はい」

 

との気のない返事をしてしまいましたが、先日、遺品の整理・片付けのお手伝いをさせってい頂いたD様と思い出す始末。

わたしの作業が終わって、ちょっとしたら解体に入る、そんなお話を聞いておったんですが引っ越しに時間がかかり、明日がタイムリミットとのこと。

遺品の片付け中に、このソファとか家電類はどうするの?と聞いた記憶があります。

その時は新しい新居にもっていくとの事だったんですが・・。どうやら新居での部屋の間取りと上手くマッチしなかったようで、新しく買い替えになったそうなんです。

 

「私の意見じゃなくて、娘夫婦が言うもんだから」

 

そんな訳で、解体ギリギリのタイミングで押し切られ、泣く泣く私に連絡をくださったそうです。

お伺いしたのは目黒区の青葉台。

我々の事務所からの行き方は、前回でしっかりと頭に入ってます。

築年数が相当であろう木造作りのお住いに到着し、少し狭い駐車場にわたしの愛車を駐車してインターフォンで奥様を呼び出します。

 

「ごめんね。急にバタバタしゃって」

 

一度茶の間にお通し頂き、お茶とお菓子を準備頂いてました。そしてしばし、このように至った経緯をお話しくださり、私もじっくりとお話を伺いまいた。

その後、前回片付けさせて頂いた部屋へ向い、不要となった家具や家電類を丁寧に搬出作業を開始。

大型のソファ、電動のマッサージ器や小型の家電などを運び出しました。

ソファや家電など家財一式

電動のマッサージ器

今日は、物量も多く重いものもあったので、応援にもうひとり呼んでます。順調に搬出が進み、作業も終わりを迎えたところで

 

「これはやっぱりだめ?」と一言。

 

手に持ってらっしゃったのは、戦時中のトランク、そして軍服とコート。

軍用のトランク

戦時中の軍服とコート


このアイテムは前回丁重にお断りした記憶が有ります。

それはお父様が、第二次世界大戦中に陸軍の一員として、激しい戦火で装着していた軍需品私に何とかならないかという話だったと記憶してます。

想いの詰まったこの軍需品。お住いの2階の押し入れに眠ってました。

奥様がお父様の話をされてる時に、その生きざまに目頭があつくなったのを覚えてます。

だから簡単に引き取り出来ないと。私は言いました。

 

「いや、あなたに持ってってもらった方がいいと思ったのよ」

 

半ば、強引に、それでも私を信頼してくだってる想いは伝わりました。

但し、そんなに高く買いとれないよ、納得してもらって買取させて頂きました。ただスズメの泪くらいのお代しか置けませんでしたが。

とはいっても、このようなアイテムは大切に扱わせてもらってます。
お預かりする際、恐縮なんですが手を合わせて頂きました。

帰り際、お住いの近くにある「西郷山公園」を通り過ぎると、先月まで青々としていた木の葉っぱがちょっと色味がかってます。

 

もう秋なんですね。

 

これからは恐らく、ものすごいスピードで年末まで時間が過ぎていくんでしょうか。

取りあえず、本日も呼んで下さった青葉台のD様、
有難うございました。