軍用の飛行時計との出会い|杉並区西永福のH様邸にて遺品の整理・片付け
「今週の日曜日から解体が始まるので、今日・明日中に来れるなら」
丁度、倉庫内の整理中をしている真っ最中に連絡を昨日いただきました。
先週お邪魔したばかりの、杉並区西永福のH様。
お住いの売却が決まり、その際に不要になった家財一式の片付けをさせて頂いた案件。その際、亡くなった父上の遺品の整理・片付けも同時に行ってます。
その時は、お客様のご要望通りの片付けは終わったと記憶してますが・・。
更にお話を続ける奥様の話に耳を傾けます。
「やっぱり地下室と、床の間のタンスの中は自分じゃ整理できなくて」
地下室と床の間。
先日お邪魔した時にどうしても私が気になってた場所です。
「ええ、明日なら大丈夫ですよ」
たまたま、予定で入っていたお客様の案件が午前中の早い時間に変更なったので、午後の13:00頃ならという事で伺うことに。
そして、本日、杉並区の西永福へ向かいました。
チョット早目の到来を告げて、お声を掛けて頂いたH様のお宅のインタフォンをプッシュ。
「ごめんね、二度手間になっちゃって」
お出迎え頂いてすぐ、温かいお茶が私を待ってくれてました。
それと、今週遊びにいった浅草の芋羊羹も並んでます。
本来は、奥様がじっくり整理するはずの地下室と床の間だったらしんですが、急な用事が飛び込んできて、手につかなかったんだそう。
世間話も一通り落ち着き、さっそく作業に入らせて頂きました。
まずは地下室。
片付けの作業をしつつ、目を光らせながら1時間以上物色しましたが、何にも出て来ません。私が連れて帰りたい物たちが。
そして、地下から1階の床の間へ向かいました。
今日はこんなに寒いのに、私のシャツは汗で肌に張り付いてます。
床の間は、押し入れなど収納スペースを主に片付けを行いました。作業中に奥様が
「この桐箪笥の中もいい?」
ええ、いいですよ、と私は答えましたが、この桐箪笥は以前お伺いしたときに気になってました。
ひとつずつ引き出しを開けながら、お父様の想いでの品たちと戯れていると、何やら、時計らしきものを発見。
一瞬、アンティーク系の手巻き型のストップウォッチかと思いましたが・・。
「飛行時計・6632・昭和17年1月・精工舎」
航空機、それもこの時代ですから軍用機、戦闘機等で空を飛ぶ時に使われた時計なんです。
航空計器タイプの飛行時計は、一般の時計と違って服部時計店などで一般販売はされず直接、軍に納入されてたはず。
奥様に伺うと、お父様はもと軍人だったそうです。
もう使う事もないから、そんな訳でこの時計をお譲り頂きました。
その後、お店に戻りこの時計をいじっていると
「チッ、チッ、チッ」
と時間を刻み始めました。終戦から70年くらいでしょうか。時空を超えて、再度動き始めた時計を片手に、不思議な感覚にすらなりました。
こんな出会いもたまにはあります。
本日も杉並区西永福のH様、有難う御座いました。