アメリカ・イングラハム社製のダルマ時計との出会い|文京区千石で古い時計の買取回収
文京区千石にて不用品の整理・片付けの依頼
「これから引越しなんですか?」
「そうなのよ。でね、そんな遠くない場所」
一連の電話のやり取りで伺うことになったH様のお住い。
文京区白石の白山通りから千石一丁目の交差点を右折し、ちょっと入り組んだ道沿いに佇む、おそらく築60年は経過している古い木造のアパートの2階にお邪魔してます。
今週の土・日に引っ越しのご予定で、不用品の処分、そして買えるものは買って欲しいというご依頼。
恐らく60は越えたかどうかの、元気な肌艶のよろしいH様にお出迎え頂きました。
今のお住いから、徒歩5分圏内にある、東洋女子高校付近にあるマンションに移られるんだそうです。
年齢も年齢なので、息子夫婦の配慮で一緒に生活することになったんだとか。
1月の中旬から、なんとか一人で整理しようとお考えだったらしいんですが、女性お一人での作業、当然のことながら苦労の多さはすぐに分かります。
古い家具の搬出や古本の整理・片付け
かなりのボリュームの不用品が有りました。
布団、衣類、アルバム類に古い家具。
また、本棚にはびっしりと本が詰まっている状態だったんで、重い本を箱に詰めるのが結構しんどいんはずです、特に女性には。
3時間ぐらいの作業でした。
2月のこの寒い時期に私のシャツは汗で肌に張り付いてます。
額から落ちる汗をなんどか持参したタオルで拭く始末。
本来なら、幾らかの手間賃を頂かなければならないケースかも知れないことを、喉元でグッと堪えながら(笑)
そして荷物を積み終え、「あの話」をしなくてはいけません。
イングラハム製のダルマ時計との出会い
作業の終盤に差し掛かったタイミングの時の話。
とある1室の押し入れから出てきた「ある物」との出会いです。
それは
イングラハム製のダルマ時計のこと。
恐らく大正・昭和前期頃に製造されたものだと思います。
ダルマ時計とは振り子時計の事を意味するんです。
ガリレオ・ガリレイが発見した振り子の等時性を応用して作られた時計。
そして今回のイングラハムは家具職人としてスタートしたエリアス・イングラハムが会社を設立し、バラエティーに富んだ時計を世に広め人気を博したんです。
そしてこのような時計の場合って、「状態」が最重要視されるんです。
例えば、
- 汚れ
- ホコリ
- 欠け
- 割れ
- ヤニ
など。
古時計の査定でこういった状態が少しでも見つかれば、確実にマイナス評価なんですが、そちらも最小限にとどまり、なかなか悪くないコンディション。
そんな出会いが先ほどあったんです。
お父様の遺品を独自の査定で買取
そこで、額の汗に手をやりながら、それとなく
「これってどうします?」
と、聞かせてい頂くと、
「これね、私の父ちゃんのやつなんです」
数年前に亡くなられた、父上の遺品だそうです。
動いていませんが、買えば結構な品物だと思います。それなりに頑張り、本日私が支払い可能な金額を申し上げました。
すると、私の一連の片付けの作業を気に入ってくださったようで、あんたなら持ってってもいいよ、なんて粋な言葉を頂戴しました。
帰り際にしばしの休憩
作業も終え、帰り支度をしていると、
「ちょっと、お茶でも飲んでいきな」
とこれまた粋な計らい。
葛飾柴又で購入された、とらやの芋羊羹と温かい緑茶を飲みながらしばしの一服。
話を伺ってると、お父様が亡くなった後、介護疲れと心労でちょっとお身体の調子が悪くなったんだとか。それを心配した息子夫婦の気遣いだったんだそうです、今回の引っ越しは。
奥様の御健勝、御長寿、ご家族様のご健闘お祈りいたします。
ダルマ時計、大切にさせて頂きます。
有難う御座いました。