人間国宝「角谷一圭」の鉄瓶など茶道具の買取|世田谷区赤堤にて遺品整理に伴う骨董品の買取
お見積りだけであれ、買取であれ、このコロナ禍においてお声をかけて頂くことは本当に有難い事です。
しかしながら このような情勢なので、お部屋の中に入らず、玄関先で査定をするケースも増えてきましたが仕方ありません。
以前はお話を伺いながら、思い出話、それから世間話までひっくるめて、そこからが私の仕事のスタートだんだんですが‥。
いずれにしても、この時期、どちらのお宅にお邪魔しても非常に気を遣います。
いつものように、隙間が出ないようにマスクを装着し、通販で購入したアルコール液で手をじっくり消毒してから、本日お呼ばれした世田谷区赤堤のY様が住まうマンションへ。
「こんな時期にあれなんだんけど、見てほしい物が有るのよ」
そんな連絡を頂戴したのが先週末のこと。
私の好きなフレーズです。
あえて何が有るのか詳しくは聞いてません。
インターフォンを押し、「ちょっと待ってね」と室内からスリッパ音をパタパタと立ててお出迎え頂いたのが、私と背の高さが一緒くらいでしょうか、背のスラっとした奥様。
「ごめんなさいね、本当は上がって頂いたいんだけど、こんな時期なんで玄関でも良いですか?」
問題無いことを告げましたが、既に玄関入ってすぐの廊下には池袋に有るデパートの箱に入った、いわゆる贈答品、食器の類がかなり多く積まれてました。
亡くなった父上の遺品(贈答品)の査定
「これね、平成最後の年に亡くなった父の遺品なんです。やっぱりプロに見てもらって処分するものは処分したいな、と思って」
との事。
箱を開けると、白いタオルに茶色いシミ。
相当時間がたってます。
所々に昭和のタグ。
もったいない事です。
幾つか見てるうちに私の額から滴る汗。
見かねた奥様が台所に消え、戻りながら、「これ良かったら」冷えたペットボトルの緑茶と、ガラスのオシャレなお皿に羊羹がちょこんと2つ。
程良い冷たさの羊羹に良く冷えたペットボトルのお茶、一瞬で生き返りました。
人間国宝「角谷一圭」の鉄瓶
小休憩したところで、引き続き作業を開始すること1時間、雰囲気のある桐箱が目に入った瞬間、胸が高鳴りました。
人間国宝の釜師 角谷一圭作の鉄瓶でした。
コンディションも良く、外内錆、スレ、シミ、傷、アタリ、真底造點、蓋緑青、経年の汚れが見受けられるものの、気になるレベルではありません。
また茶器によくある、素人目では判断の付かない、上手な直し(補修)もありませんでした。
「前にはもうちょっとあったんだけど、欲しいっていう知り合いにあげちゃって」
仕方有りません。全て縁ですから。
その他の茶道具を含めた贈答品に関しては、殆ど値が付けられない状態だったんですが、なんとか高値で頑張られて頂きました。
徐々に感染者が減ってきたとはいえ、コロナ禍の中お声を掛けて下さいました世田谷区赤堤のT様、有難う御座いました。
大切に扱わせて頂きますね。
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