引っ越しに伴い古い切符・硬券との出会い|東京都千代田区富士見にて買取
本日の都内は最高気温8℃。
昨日の温かさと今日の寒さとの、温度差が体に堪えます。
長年愛用しているストーブに手をやりながら、一昨日、Gさんから買わせて頂いた切手の仕分け中、携帯からいつもよりもなんとんかく甲高い着信音。
そして受話器から年配の女性の特徴的な声、聞き覚えがあります。
「こないだは、ありがとね。」
うちのチラシを見て、ご依頼をくださったMさまからのお電話でした。
去年の12月のクリスマス前だったかしら、千代田区富士見にお伺いして古い髪飾りやつまみ細工をお譲り頂いたんです。
御年70代の奥様だったんですが、今回は80歳になられた旦那様の押し入れの整理をして欲しいというご依頼。
千代田区富士見にて不用品の片付け
お伺いしたのは千代田富士見。
冬空の神田川を横目に、新見附橋の交差点を右折。そこから道なりに九段中等学校の交差点を左折した、細い道沿いにあった木造のお住い。
恐らく築年数は40年~50年と思われます。
ここは尋ねる度にタイムスリップする錯覚に陥るんです。たとえば、ちゃぶ台や茶箪笥。戦後の日本を象徴するような古いものが置いてあります。
今の時代は作業の効率化を図るあまり、パソコンなど周辺機器が多くなりがちな現代。それとは逆行するような佇まいになんとなく落ち着きを感じるお部屋。
そんな私をご夫婦が笑顔で迎えてくれました。
なんと明日、引っ越しのご予定なんだとか。
「最後に木村さんにお願いしたくてね」
そんな有難い言葉も頂きつつ、寒いでしょ、とご夫婦がお茶と和菓子を用意下さってました。
実はお住いの売却が決まり、ここからほどなくのマンションに越されるんだそうです。
そんな中、ボチボチと仕事へ。
押し入れの中の片付け
奥様がご案内下さった押し入れには、たくさんのモノ達で溢れてました。旦那様が使用されていたと思われる着物や雑貨など。また、古い美術本などが押し込まれてる状態でした。
正直、パッと見て買い取れるものはありそうにありません。
古い切符・硬券との出会い
そんな中この寒さに身体を縮めながら、押し入れの奥の角にあった古い紙箱。
そこに入ってのが、古い切符・硬券たちです。
昭和35年~40年発行の使用済み切符でしょうか。東京近郊の切符が殆どで乗車券の他、入場券や急行券代用証などもあります。
戦前のものや国鉄時代の切符、入場券、などなど。
キズ、濡れあと、ヤブレが若干見られます。
私なりの独自査定
それでも、私の事を呼んで下さったご夫婦の期待に応えたい一心で、なんとか査定額を出させて頂きました。
「ええですよ、それで」
との事。
スズメの涙ほどの金額でしたが、奥様・そして旦那様ともニコニコ顔。
その後、近くのコンビニから買われたホットコーヒーを飲みながらしばしの談笑。
私も気になってたことを聞きました、
それは「なぜ今のタイミングで」ということ。
「エンディングノートに、子供たちに迷惑はかけたくないって書いてたんですよ」
最近よく聞く単語です、このエンディングノート。
年齢も年齢で、万が一のことがあった場合のため、ある程度身軽にしたかったそうなんです。
わたしも他人事じゃない年齢です。
話を聞きながら現在に至るまでの準備、そして今後の健康の話などで花が咲いちゃいました。
コーヒーを飲み干し、帰りの身支度をしてご挨拶。
「また頼むから」
短く、だけど温かみのある言葉を頂戴し、富士見町を後にしました。
しかし、今日は寒いです。
ラジオではまた北陸での大雪の情報が流れてます。
そんな中、お呼び下さったかわいらしい笑顔のM様ご夫婦、新居でも健やかに、そして笑顔で過ごされて下さい。
本日も有難う御座いました。