文京区千駄木での洋酒の買取、サントリー インペリアルの買取
外は夏、街は盆休、店は閑散、在庫品の整理中、文京区から一本の電話。
千駄木の2丁目、不忍通りから少し折れた所の、ブロック塀に囲まれた二階建ての静かなお宅の玄関に、お電話主のF様が、うちわを煽ぎながら待っていらっしゃいました。
「こっちへ来てよ」と、呼ばれたのは、玄関を入ってすぐの地下への階段。
かなり狭い、コンクリートのたたきの階段です。照明は有りません。
何度か足元を取られました。
「これ持って行ってよ」
地下室に置かれた本棚の、ガラス越しに見える、洋酒のラベル。
殆どが当時のお中元、お歳暮、頂き物の類。
昭和60年前後の品物です。
F様は見た所、60歳前後、御本人の30歳のころの品物達です。
御父上のお取引の上で頂いたものの、今日まで、30年前後の間、こちらでひそかに年月を重ねた物だそうです。
当時の日本の景気の長閑さが垣間見えます。
長年の間、ひっそりと、日本の消費に貢献して呉れました。
世の中にはこの手の物が少なく有りません。
建物の整理の都合上、また、お近くに必要とされる方がいらっしゃらないという事で、私に、役目が回ってまいりました。
有りがたい事です。
全部で写真の5倍くらいは有りました。
ただ、これはと、評価出来る物が少ないのです。
やっと探し当てたのが此の一本です。
サントリーインペリアルです。
かなり古い物ですが中身もほぼ十分です。
これに出会えて一安心です。好きな人がいるんです。
狭い階段を何回往復したのかわかりません。
例のごとく、私の体は汗まみれ。
F様は2時間近く、うちわを煽ぎながら、待ってて下さいました。
帰り際、支払いを終わった後、気難しそうなF様が眼鏡の奥で笑って下さり、ほっとしました。有難う御座いました。