北区滝野川で、古書、和本、古地図の買取

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太陽ってこんなに眩しかったのかしら?
灰色の長いトンネルをやっと抜けた今日の朝、久しぶりに出会った、今日の太陽。今まで何処に居たのか尋ねて見たい。
そんな太陽の下、本日は、北区の滝野川に呼ばれました。
この街は確か1丁目から7丁目まであり、今日は3丁目です。
17号から細いくねくね道を抜けやっとたどり着きました。
道で出会う方、御高齢の方が目に映ります。
私を呼んで下さった方も、とても元気な83歳の女性でした。
築50年は過ぎると思われる自宅を整理なさるとのことです。
最近、この手の御依頼に良く出会います。
「主人が残した、この本、買って」
江戸期の和本でした。
中に、手書きの古い地図が有りました。
山陰の境港、四国の金毘羅様の物が何枚か。
長い間、大事にされて来た、かなり古い物でした。

古地図の買取

古地図の買取

大事にされて来た御主人さまに敬意を払い、買値を申し上げました。
眼鏡の奥の目が喜んでくれました。
もう少しで、燃えるごみで捨てようかと思っていた所、当店のチラシが目に入り、呼んで下さったそうです。
お年には見えない、滝野川のH様、有難う御座いました。
帰ってからゆっくりと地図を広げます。
最近、この手の物を無造作に捨ててしまう方が少なく有りません。
捨てないでください。

板橋区大谷口で、【鉄瓶の買取】です。

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今月はは散々でした。
声無き声の忠告なのか、戒めなのか、はたまた、姿の見えぬ思し召しか?
左の腕が肩から上に上がらなくなりました。
思い当たる節は有ります。
軽く考えてました。
「これは治りません」
練馬区の大学病院の整形外科の一室です。
目の前の若い先生の口から発せられた短い言葉。
池袋の指定された機関で撮影されたMRI画像を見ながらの先生のコメントでした。
「治す方法は手術です」
2時間以上待たされた治療の結果がこの言葉でした。

無情な声に納得できない私は、MRIのディスクを手に店の近所の整形外科医へ。
「これは腱板断裂です」
「切れた筋肉は繋がりません」
かすかな希望は、あっという間に消えました。

これは若くない私への、これ以上体を痛める事の無いようにとの、声なき声の思し召しと、とらえました。
何か方法が有るはずです。
これ以上悪化させずに、再び、腕を上げる方法が。
病院から戻り、定休日の店の片隅で、さみしく、月末の処理中に、「今日は休みですか?」
明けた扉の方から女性の声。
板橋区の大谷口にお住まいの方でした。
「ちょっと来てくれます?」
お邪魔して、頂いてきたのがこの鉄瓶でした。

鉄瓶の買取

鉄瓶の買取

傷が治るほどのインパクトは有りませんでしたが、他にも、畠春斉の朝鮮風呂、柿右衛門の湯呑揃い等も頂きまして、チョッピリ、いたんだ傷が喜んでました。
早くも今年も折り返し点です。
来月からも頑張らせて頂きます。
今月、十分に対応できなかった方が沢山いらっしゃいました。
7月からは肩の傷と相談しながら頑張らせて頂きます。
今月は大変有難う御座いました。

私の好きな街、豊島区千川での、【不用品処分】。

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このところの涼しい夏に感謝です。
お店に何年も通われてる、すぐ御近所の千川町のY様からの御依頼でした。
良く有るお話です。
お母様が、施設に入られるそうです。
隣に有るお母様のお住まいの、いわゆる、不用品の処分の御依頼でした。
途中まで、御自分でやられたそうですがとてもじゃないけど体が持たないという事で、私のところにお見えになりました。

御自分でやられた不用品整理。

御自分でやられた不用品整理。

片付けました。

片付けました。

お断りする訳にもいかず、いとも簡単にお引き受けはしたものの、結局この月、火、水と三日間頑張る羽目になってしまいました。
当初は、一日で終わるつもりが、そんな簡単な相手では有りませんでした。

50メートルは有る細い私道の一番奥の建物でした。
いざ作業を始めようとすると、トラックを止めると、私道の狭さで、他の住民の方にかなりの御不便がかかります。
私道の両脇、入口から、奥まで、12件のお宅に御挨拶と、お願い行脚です。
なかなかしんどい物です。皆様それぞれに、御自分の世界が有りまして、その世界に少しでも入り込むなら、かなり厳しい、お咎めが有りそうで、予期せぬ 難敵にかなりの苦戦を強いられました。
それでも一日での作業の予定が、三日になりましたが、大きなトラブルも無く、無事に終了致しました。涼しさに感謝です。
結局、2トン車で5台の物量でした。幾らなんでも素人の手では無理な作業です。
最後に、Y様の笑顔に出会える事が出来、三日間の埃との闘いも忘れる事が出来ました。

片付け後

片付け後

狭い私道を挟んで長年にわたり、ひしめきあうように自己の生活を守ってこられた方々の、土地、建物に対する執念みたいな物を目の当たりさせられた三日間でも有りました。
心の隅で期待した、お宝には出会えませんでしたが、目に見えぬ、大事な物に出会えたような、私の好きな街、千川のひとコマでした。

Y様、この度の御依頼、有難う御座いました。
まだもう一軒、同じような案件がおありとの事。

御連絡お待ち申し上げます。

今日も台東区で【源右衛門花瓶】の買取でした。

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「売りたい物が有るんだけどちょっと来てくれる?」
何と無く貫禄の有る、多分、御高齢の女性からのお電話でした。
お邪魔したのは昨日と同じ、台東区は東上野、春日通りから清洲橋通りに入ってすぐの、かなり年季の入ったマンションの5階の一室。
あいにく道路脇の有料パーキングエリアには空きは無し。
暫く考え、意を決してハザードを点けてエレベーターへ。
オートロックが無いのが助かりました。
迎えて下さったのは目つきの鋭いお母様。車いすでの対応でした。
頭が下がります。
品物を仕分けする私の背中に刺さる車いすからの鋭いまなざし。
奥にいる息子さんのお手伝いでしょう。テーブルの上には贈答品のひと山、畳に置かれた、毛布タオルの口。桐の箱には着物の一団。
然し、残念なことに、評価の厳しい物たちばかり。
こういう事はしょっちゅうです。
品物を置きなおしながら、下の車が気になります。
せっかく呼んで下さった、体の不自由なF様。
何かを買って帰りたい私に、仏壇の横の黄色い花瓶が、目に入りました。
源右衛門でした。
箱は無いそうです。

源右衛門花瓶

源右衛門花瓶

買取の難しい品物の説明と、源右衛門のお値段の提示を致しました。
目つきの鋭さに似合わず、快く、うんと言って下さいました。
支払を済ませ、コーヒーでも飲んで行けばのお言葉を背に、源右衛門を抱えてエレベーターのドアにまっしぐら。
何とか車は無事でした。
私を呼んで下さったF様、感謝いたします。

店に帰ってみると此の花瓶意外と大きいんです。
20cm位の物は良く有りますが、これは、35cmくらい有りました。
とても良い品物でした。
F様有難う御座いました。

台東区谷中で、【観音様】【菩薩様】【大黒様】の買取。

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今日は久しぶりの谷根千でした。
道灌山下から団子坂下を左折、よみせ通りへ。
相変わらずの人の波。
日暮里駅西口に通ずる細い道からは、あらゆる人が押し出されてます。
殆どは頭に帽子、背には鞄の、御高齢のカップルと、あらゆる国からの年齢不明の男女達。
ここに店を構える人が羨ましく見えます。
そんなよみせ通りから一本入った路地の奥に、可愛い日本家屋がひっそりと一軒。
私を迎えて下さったのは、こんな場面にぴったりの、白いエプロンがまぶしい小柄な女性でした。
私を呼んで下さったいきさつを聞いて、またまた感激の私。
ピカピカの廊下に並べられた”骨董品”の買取の依頼でした。
結局私が連れて帰ったのは、この、観音様、菩薩様、大黒様でした。
象牙、西望、ブロンズでした。

象牙の観音様

象牙の観音様

北村西望作聖観世音菩薩

北村西望作聖観世音菩薩

店に帰り、もう一度、観音、菩薩の意味を検索させられました。
ここのところ体の不調で、何軒かのお客様、お断りしてました。
御不快な思いの方、申し訳ありませんでした。
2週間くらいで、診察券が4枚増えてしまいました。
今日呼んで頂いた、谷中の可愛らしい、T様に感謝しながら、観音様の埃を落としてます。
台東区谷中の、T様、本日は有難う御座いました。

一年振りの赤坂のお客様から【宮永武彦】の買取。

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多分、自分の息子よりは若そうな、今日初めて、診察を受けた、接骨院の先生の言葉。
かなりのショックを受けました。
このところ、何と無く目をそむける事の多かった自分の年、それが正しく自分の、筋肉、筋力の代名詞だったようです。
このところの体のあちこちの痛みで、ついに私も一軒の接骨院の窓口に保険証を出しました。
帰り際には左の肩には青い色のテープが張られてました。生まれて初めてです。
それほど、筋力が落ちてたとの事。
今は、先生の言葉を信ずるほか有りません。
ここは姉が通ったり、体の不自由な母を何度か車で連れてきた場所です。

人生というメニューの中で、仕事は、かなりのウェイトですが、一番は、矢張り、自分の健康だと思います。
私はせっかちで、かなり無理をするタイプです。
そんな私への、大事なサインかもしれません。
そんなところへ、確か一年ぶりのお電話です。
昨年の5月、新宿区の南榎町で呼んで頂いた、K様でした。
その時は、確か、銀製品、鼈甲、金貨、切手、それと、岩橋永遠の日本画を買取させて頂きました。
今回、呼んで頂いた港区赤坂の自宅は、解体なさるそうです。
うらやましいお話です。
3階建ての階段のお宅でした。
又、無理をして、汗をかきながら、品物をおろしました。(やらなければ良い物を、やらずにいられない私です。)
殆どが古い、贈答品でしたが、その中で出会ったのがこの女性です。
サインは宮永武彦、しかし、額装、状態がいまいちで、K様納得のお値段で頂戴いたしました。

笹島喜平の版画

一緒に連れてきた笹島喜平の版画

これらが、何とかいまの私の、体の不都合への良薬になってくれればと思います。
一年ぶりに私の名刺を探して下さった、K様、有難う御座いました。

 

文京区での【不用品処分】の御依頼と【釣竿買取】

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「あなたのところのチラシが、一番信頼出来そうで。」
手の平の上に有る1センチはあろうかと思われる各種チラシの一番上に有る、当店のチラシ。
確認すると昨年、配布された物でした。
そうして呼んで頂いた文京区のF様。
音羽通りから鳩山御殿を左に見ながら、細い路地の終点の様な、文京区、小日向の一角の、築50年はなんなんとする、一戸建てのお宅。
チラシの山を見ただけで、私のところに電話をするのにかなりの逡巡が有ったと思われます。
92歳になる一人住まいの男性です。
何日か前にも、御高齢のA様にお会いしましたが、この方はさらに御高齢。
何年か前に奥様に他界されお一人でここまで来たものの、いよいよ覚悟をされて、いわゆる老人ホームへの入居を決心されたとの事。
住まいの物すべてを整理なさりたいとの事。
かくしゃくとしたお体からの、御依頼のお言葉。返す言葉が有りません。
私に白羽の矢を立てて頂いたのは至極光栄の至りですが、そんなに簡単な物ではありません。私の長年の経験と、現状からの判断で。

おそらく、長い時間を掛けた後の決断で呼ばれた以上、何とか力になりたいのは山々ですが、最終的に、いつまでに整理したいのか、息子様の存在とかを確認させて頂き、取敢えず、本日買い取って帰って来たのが写真の釣竿、釣り道具達です。
竿の袋には、昭和60年購入の書き込みが有りました。
取敢えず、F様納得の金額で買取しました。
次の訪問日を決めて、帰ってまいりました。
この続き、書き込めるよう頑張るつもりです。
お年は言われなければ分かりません。最近御病気をなさったとの事ですが、言葉の端はし、エッジの鋭さを感じます。
F様頑張らせて頂きます。
当店のチラシです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

練馬区で頂いた【リヤドロ人形】。

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それは年のせいだよと言われるのは分かってますが、最近とみに体のあちこちから、様々な叫び声が聞こえます。
10日ほど前から、右膝の関節に何と無く、気分の良くない痛みが現れました。
整形外科では、年のせいで、おさめようとしてます。

好きな芋焼酎を断って、3日目です。
あの冷たい芋のエキスが喉を伝わり、脳にその香りりが届かないと、キーボードを打つ指に、パワーが届きません。
早く打たないと、過ぎた事柄が遠慮なく消えてゆきます。

取り合えずお礼の言葉を一つ。
先だってお世話になりました、練馬区のH様、大変有難う御座いました。
引っ越しで出る不用品の処分を頼まれました。
私の提案に気持ち良く応えて頂き、私がお願いした片付けの件、本当に必死でやって頂きました。
その上、御家族で大事にされていた、素敵な物まで、いただきまして、品物を見る度に心がチクリと痛みます。
私はリヤドロの人形が好きなんです。
お店には、10体ほど飾られていて、今回この可愛らしい2体が増えて、ほかの仲間も喜んでます。
ほかに、こんな可愛い、ドイツ製の木の玩具も見つかりました。

ドイツ製の木製玩具

ドイツ製の木製玩具

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ほかにも有りました。
全てに、愛と、夢と、時間とがたっぷりと感じられます。
今回の結末はご覧のとおりでしたが、足りないところはご勘弁下さい。
私は、お金にもお宝にも変えられない、素晴らしい出会いに巡り合えたと思っております。
言葉が足りません。芋のエキスが届いたら、又お礼を述べさせていただきます。
この度は大変有難う御座いました。

新宿区で【今右衛門】の買取。神楽坂の3階で。

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温度計の目盛の上昇と反比例して仕事への熱意が薄れてゆきます。
これから少なくとも3カ月、いや、4か月は予測される暑さとの闘い。
それはまさに自分との闘い、歳との闘いなんです。
こんなときに仕事の場面で、お客さんの口から年の話なんかが出て、思ったより、自分が老けてるような表現をされると、その瞬間から、全てのモードは、フリーズ状態、応答なしに、陥ります。
今日の午後、新宿区、神楽坂、M様との出会いはまさにそのような場面でした。
知り合いから、電話番号聞きましたと言って呼ばれた方に向かうときは、アクセルにも自然と力が入ります。
M様に聞きました。
「入谷の知り合いに聞いたのよ」
それだけで私のモードは、ワンランク、アップします。
ところが、お目当ての品物が何もないんです。
「なんで私を呼んだんですか?」
私ももっと確認すればよかったと思います。
神楽坂と、和食器というキーワードに誘われて、狭いコインパーキングに、やっとのことで車を入れて、M様のいる、かなり古いマンションの3階まで、細い階段を上がってきました。
30年ほど自分でお店をやられ、残った食器などを、こちらに運んだので見てほしいとのことでした。
とてもお元気で、これからでもお店を始められそうな方でした。
そんなとき、お互いの年の話なんかしたおかげで、私のモードは急降下です。
悔しくて、殆どごちゃごちゃの食器棚の奥から見つけたのがこの今右衛門のデミタスセットでした。
古伊万里風、染錦金彩のカップ&ソーサー6客です。
私の好きなアイテムです。

今右衛門のデミタスカップ&ソーサー

今右衛門のデミタスカップ&ソーサー

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
帰りの階段とコインパーキングの料金が気になります。

御本人もこれがどうしてここに有るのか記憶が無いそうです。
M様の納得の金額で、今右衛門だけを頂いて、夏の日差しの神楽坂を後にしました。

入谷のお客様に感謝しながら。
箱が見つけられなかったのが心残りです。

豊島区千早のお客様です。【大正電笠】の買取でした。

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今日は本当に申し訳ありませんでした。
渋谷の神宮前で、贈答品の買取の依頼と、文京区の小石川で、着物の買取の依頼が有りましたが、今日の朝からの暑さのせいと体調のせいで、お断りさせて頂きました。
日陰の乏しい店の前で、昨日買取した荷物の整理です。
と、思ったところ、「古い本が有るんだけど、見に来てよ」
そうですねー、お年の頃は、75から80前。
老眼のちょっときつい金縁の眼鏡のお母様。

お店にじかにお見えになるお客様のお願いは、中々断れません。

場所は、小学校の近所、道のせまいところです。
自転車で向かいました。
暑さがしんどい。

殆どハードカバー、息子さんの蔵書だそうです。
本の表紙を開けながら、自分より早く逝ってしまった息子さんへの、無念さが伝わります。

建物も売却、解体とのことです。
残念ながら、私が引き取りたい本は有りませんでした。

私の目に留まったのが、この電笠です。
2階への突き当たりと、玄関の天井で何と無く私を見てるんです。
頂きたいというと、どうぞとおっしゃるので頂いてきました。
店で、点けると、とても懐かしいほのぼのの光でした。

ほのぼのの大正電笠

ほのぼのの大正電笠

何と無く、日ごろの疲れと、今日の暑さを忘れさせてくれる明かりでした。
千早のお母様、今日は有難う御座いました。