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港区南青山の【掛軸の買取】。【川端龍子の掛軸】。

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「この山はどちらの山ですか?」
玄関に掛けられた大きさ8号くらいの額に収まった西日に輝く雄大な山の写真に思わず足が止まりました。
「鳥海山なの。」
「へーっ、どうしてなんですか?」
「主人の田舎、秋田なんです。写真が好きで。」

昨日伺えなかった、南青山のO様のお宅にお邪魔いたしました。
垣根も塀も無く、道路からすぐ玄関、私の好きなロケーションです。
車を止めると足元にアブラゼミが一匹空を向いたまま黙ってます。
そういえば、暑さの割には蝉の声が少ない様な気がします、今年の夏は。

スリッパに替えると、テーブルの上には一杯の麦茶が待っててくれました。
有りがたい事です。
桐のタンスは丁重にお断り致しました。
着物はタンス一棹から、大島、単衣など、10着ほど、頂きました。
床の間に箱に入った掛軸が2本。
旦那さまが大切にしてた物だそうです。
最近ではそんなに売れる物では無いと思ってたそうです。
その通りなんです。
骨董品の中でも掛軸ほど、見向きもされなくなったアイテムは有りません。特に最近。
然し、よく見ると一本は川端龍子の作品でした。
一時かなり高価で取引されました。誰でも欲しがりました。
今では時たま、悲惨な光景も目にします。

値段によっては、手放しても良いというお話です。

私も若いころ、鳥海山の麓の海辺を歩いた記憶が有ります。
確か、象潟という街でした。
西日に輝く、日本海の美しい海の姿が記憶に残ってます。

何故か今日、ここで出会った川端龍子。

川端龍子の買取

川端龍子の買取

日本海の青い海を思いながら、私も目いっぱい、奮発してみました。
帰り際のO様の優しい笑顔、私の心に一抹の不安。
そんな夏の買取日記でした。

94歳のお母様からの、着物と古銭の買取。

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失礼ですけど、お年、幾つか聞いてもいいですか?
私?94歳よ。
えーっ、ウソでしょう!!!
もう着ないのよ、よ言われて出された着物に目を通しましたが、思うような金額を提示できません。
これは幾らかになるの?と出されたのが、造幣局発行の、プルーフ貨幣セット。
10点くらいありました。後は聖徳太子の一万円が1枚、伊藤博文の1000円札2枚、岩倉具視の500円札が何枚か。
私もお年を聞いた以上、出来る限りの金額で、買い取らせて頂きました。
入れて下さった、日本茶が又おいしいんです。お茶菓子までつけて頂いて。
お茶を頂く間に、私もつい自分の母の年とか、今の母の健康状態が口から出てしまいました。
それを聞いた94歳のお母様、これ、持って行ってと、チョコレートと、ご自分がしたためた、書き物を一枚。
私も今まで、買取に出向いて、94歳の女性から、お土産を頂くのは初めてです。
夜さっそく、母に届けました。母を看ている妹は、中身の分からぬ、書かれた文字のうまさに、感激をしてました。
階段の2階の奥にあるお部屋にお一人でお住まいでした。
私はこの年齢にして、ここでお一人で生活されてる現実に驚きます。
普段から、和服だそうです、お部屋は整然、感動、感心、感激のお母様でした。
大変有難う御座いました。

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お願いしてカメラの前に立って頂きました。