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猛暑とか熱中症とか、つい今しがたまで、世の中がそんな言葉にうずもれていたかと思うと、暦を見れば早8月の20日の表示。
遠い昔で有れば、夏休みの宿題に追われ右往左往していたころの自分の姿がが懐かしく思える自分に出会え、何か安心します。
遥か遠くに目を遣れば何かきな臭く、近くに焦点を合わせると何やら気が重く、甲子園のグラウンドに青春を賭けて来た若者達には何と無く気の毒な雰囲気の今年の日本の夏です。
何と無くスカッとしません、。早く爽やかな秋の訪れが待ち遠しくてたまりません。
今月中に引っ越されるすそうです。
今日訪ねた、新宿区西早稲田のW様。暑い中ご苦労様です。
この場所にこんなに歴史の有る都営の集合住宅が有るのを知りませんでした。
新目白通りに接し、すぐ横には有名なシティホテル、南に向かえばすぐ、早稲田の門。
毎日の通過地点です。
矢張り、築40年から50年の物件、そちらにお住まいの方の家具とか家電製品は殆どが買取が不可能なケースが少なく有りません。
何とか安く処分できる方法を考えて下さるようにお願いしました。
9階でした。かなりしんどいと思います。

今日呼んで下さったW様、お年は、50代の中間くらい、彫の深い何と無くエキゾチックな香りのする日焼けした顔のとてもスタイルの良い奥様でした。
始めてこの建物に呼んで頂いたお礼を申し上げながら、私の眼は勝手にお部屋のリサーチです。
そんな私の目に留まったのが、先程お断りした桐の和ダンスの上に見えた小さな桐箱です。
明けて出てきたのが、写真の香炉でした。

古い香炉の買取

古い香炉

間口が広く奥の浅い私には、この香炉の出自が定かでありません。
W様もさっぱりわかりません。この建物には旦那様のお父様が住んでらしたとの事。
近々引っ越しで、不用になる可能性が高いとの事。
横に有った銀杯一つと一緒に目いっぱい買わせて頂きました。

開けて見ました。
きな臭さは一つも感じません。
とても古さを感じさせてくれる可愛い香炉でした。
この一物の過去の足取りを確かめるのが私の楽しみなんです。
素敵な香炉を頂いた西早稲田のとても素敵なW様本日は有難う御座いました。

新宿区の買取、【錫の茶托】の買取

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豊島区から新宿区に入った辺りの山手通り沿い、長年、走るたびに目にする、交差点際の高台の住宅が有ります。
今日はそちらに呼ばれました。
此の角は何回通り過ぎてるかわかりません。
呼ばれたのは今日が初めてです。
まず階段を15段ほど上がって玄関です。そこからまた2階建ての住宅が始まります。
お願いされた桐のタンス、欅の古い水屋等は、無くなくお断りさせて頂きました。
近いうちに引っ越されるそうです。暑い中ご苦労様です。
お話を伺ううちに、例の通り私の額からは汗の塊、背中から腰までは、もうすぐずぶぬれです。
苦労して上がってきた階段です。
何としても手ぶらでは帰れません。
ちょっと硬めの押入れの襖を必死で開けました。
お稽古用の抹茶茶碗が七つ、評価の出来ない古い掛軸が5本。
必要無いと仰るので、頂くことになりました。
茶碗を動かすとその奥に出てきたのがこの茶托です。
矢張り御不用とのこと。
旦那様に、階段下まで、荷物の下しの手伝いをお願いしました。
快いお返事を頂き私も快い買取金額を提示して、快く頂戴する事が出来ました。
とても優しそうな旦那さま、とても仲のよさそうな御夫婦様でした。
羨ましくなるような。
此の茶托が、ここに有る由来は不明だとの事です。
こういう品物は、いつも出会いたいと思っている品物の一つです。
出会えると幸せを感じます。
会いたい人とか、会いたい物には、簡単に会う事は出来ません。
会えた時の喜びはひとしおです。
私はこの程度の出会いで、喜びと、感激です。

古い錫の茶托の買取

古い錫の茶托の買取

古い錫製の茶托でした。
かなり使われてます。
いつの頃、どのような方が、此の茶托でお茶を嗜んだのか、素敵な物は夢を見させてくれます。
古さの有る、重さの有る、冷たさの有る、古い灰色の錫の茶托を眺め、ひと時の涼しさを味わいました。
殆どお盆休みに入った、チョッと静かな、東京、新宿区の買取でした。
遠くに鳴く、ツクツクボウシの鳴声が何故か耳に心地よい夏の一日でした。

新宿区上落合での14代柿右衛門湯呑揃いの買取

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お尋ねしたお宅の周りの道路事情が良くない時も、例えばその近くに、コインパーキングが見つからなかったり、細い一方通行で、後ろの車に追われ何回も周回したとしても、決して私達は、目的を置き去りにしてはいけません。
いつも、殆ど、見たことも、有ったことも無いお客様に出会うため、私を、待っててくれるかもしれない、なにがしかの浪漫、夢に出会うためには、それ相応の覚悟と、苦労がつきものなのが私達の仕事です。
ナビに従って、山手通りを左折したとたん、ブレーキを踏みました。
ナビでは行けそうなんですが、目の前の通りはかなりきつそうです。
狭くて。ナビは前進せよと言ってます。
道路の細さと一方通行のややこしさ。
案の定、目的地に着いたものの、車は止められそうにありません。
再び、山手通りに出て、探すはパーキングのマーク。
どうにか車を置いて、200メートルくらい、汗を拭き拭き、やっと辿り着きました。新宿区上落合の、T様のお宅へ。
90近い父上が一人で住んで居られたお部屋に残された品物の買取の御依頼でした。
良く有る事です。
綺麗に仕分けが終わっている物には、私達が欲しがるものが残っている事は殆ど有りません。
常々、仕分けの前に出会いたいと思ってます。
明珍の火箸が有りました。裸の蓋置が三つ。以前、茶道具が有った形跡が残ります。
美術書、美術展の図録が何冊か。然し、額に入った絵は有りません。
何とか私が連れて帰ったのが、この14代柿右衛門の湯呑揃いでした。

14代柿右衛門の買取

14代柿右衛門の買取

人に好かれる物でも世の中に数ある物は、高い評価は難しくなります。
買取は気持ちよく終了しました。
時は午後の2時前、今日のお日様も容赦のない暑さ、小脇に柿右衛門を抱え、パーキングに向かう私の目の前に可愛らしい「ラーメン」の暖簾。
料理の速さ、程良い冷たさ、お店のお姉さまの可愛さに納得です。
早く私の夢と、ロマンに出会いたいものです。

新宿区坂町で、【洋酒】、【サントリー山崎】の買取でした。

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ひもが半分解けた新聞紙の塊、紫色の古いラジカセ、黒いヘルメットなどが無造作に置かれた、体がやっとすり抜けられる、薄暗い、踏むと音の出る、濃い茶色の木製の階段を2階へ通されました。洗い物がヤマになってる流し台を右に見て、笠の無い裸電球の光に誘われ、遮光のいかにも重そうなカーテンのかかる部屋に通されました。

「病気の者が寝てますが、買取は可能ですか?」
昨日の夕方、若い女性の声のお電話でした。
確か、東の空に現れた鮮やかな虹に見とれていた私の口からは「問題無いと思います。」
虹の色と、女性の声、しっかりと今日の現場の住所がメモされてました。

裸電球の部屋の隅の畳の上には布団が一つ。上には紫色のタオルケット。
タオルケットの中には人の気配。かすかに聞こえる息の声。
女性はやや疲れた感じの、30前後のグレーのスェットの上下の方。
顔の小さい、髪の長い、綺麗な方でした。
事情が有り、間もなく、この場を退去するに当たり、買える物が有ればお願いしたいのこと。
寝てる方の枕もとに掛軸らしきものが見えました。
お声を掛けて、枕を踏まぬ様気をつけながら、掛軸の方に向かうと同時に紫色のタオルケットが大きく動き中から矢張りグレーのスェットの男性が、いきなり起き上がるんです。
ほほはコケ、両目が異様に大きく真っ黒な瞳が二つ。
突然で、適当な御挨拶の言葉が見つかりません。
トイレに向かった男性に目をやる私の後ろから小さな声で「父です。癌なんです」
「えーっ!!!」
確かにスェットからは殆ど肉の気配が見えません。
歩く姿が不思議に見えます。
何でこのような方がここに居られるのか、とっさに判断しかねます。

申し訳ありませんでした。
私を呼んで頂いた、新宿区坂町のM様。
私も体調が完ぺきでは有りません。
又今日の暑さも半端ではありません。時間は午後2時ころでした。
私には部屋のほの暗さと、湿気の多さが先程から気になってます。
ここでこれ以上呼吸を続ける事が、私に必要な事なのか、可能な事なのか考えました。
色々な品物に恋焦がれてこの仕事をやってます。色々な方と出会うのも私の仕事の楽しさの一つです。
私は自分の体を思い一つの決断をせざるを得まえんでした。
額の汗をぬぐう私の目の片隅に、本の無い本棚が一つ目に入り、棚には数本の洋酒のボトル。
父上が死ぬほど大事にされたものだそうですが、手放すことに決めたとの事。それがよろしいと思います。

ニッカのウィスキーが有りました

ニッカのウィスキーが有りました

レミーマルタンが有りました

レミーマルタンが有りました

一生懸命買わさせて頂き、父上のもどられる前に、転がるように新聞に躓きながら、細い階段を後にしました。
店に戻り、ボトルを前にしながら、今日の父娘の事が気になります。
ふがいない自分に腹が立ちます。
なぜもう少し、他の物たちに目を配れなかったのか。
M様、本日はお声を掛けて頂き有難う御座いました。
これからの頑張りを願っております。

新宿区で【今右衛門】の買取。神楽坂の3階で。

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温度計の目盛の上昇と反比例して仕事への熱意が薄れてゆきます。
これから少なくとも3カ月、いや、4か月は予測される暑さとの闘い。
それはまさに自分との闘い、歳との闘いなんです。
こんなときに仕事の場面で、お客さんの口から年の話なんかが出て、思ったより、自分が老けてるような表現をされると、その瞬間から、全てのモードは、フリーズ状態、応答なしに、陥ります。
今日の午後、新宿区、神楽坂、M様との出会いはまさにそのような場面でした。
知り合いから、電話番号聞きましたと言って呼ばれた方に向かうときは、アクセルにも自然と力が入ります。
M様に聞きました。
「入谷の知り合いに聞いたのよ」
それだけで私のモードは、ワンランク、アップします。
ところが、お目当ての品物が何もないんです。
「なんで私を呼んだんですか?」
私ももっと確認すればよかったと思います。
神楽坂と、和食器というキーワードに誘われて、狭いコインパーキングに、やっとのことで車を入れて、M様のいる、かなり古いマンションの3階まで、細い階段を上がってきました。
30年ほど自分でお店をやられ、残った食器などを、こちらに運んだので見てほしいとのことでした。
とてもお元気で、これからでもお店を始められそうな方でした。
そんなとき、お互いの年の話なんかしたおかげで、私のモードは急降下です。
悔しくて、殆どごちゃごちゃの食器棚の奥から見つけたのがこの今右衛門のデミタスセットでした。
古伊万里風、染錦金彩のカップ&ソーサー6客です。
私の好きなアイテムです。

今右衛門のデミタスカップ&ソーサー

今右衛門のデミタスカップ&ソーサー

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帰りの階段とコインパーキングの料金が気になります。

御本人もこれがどうしてここに有るのか記憶が無いそうです。
M様の納得の金額で、今右衛門だけを頂いて、夏の日差しの神楽坂を後にしました。

入谷のお客様に感謝しながら。
箱が見つけられなかったのが心残りです。

豊島区のお店で買取りました。【本鼈甲の象牙撥】。

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実は今日の予定はこんなはずでは有りませんでした。
今日はとても暑い一日でした。
今日はかなり忙しい一日でした。
昼前から夕方まで、4か所のお客様に呼ばれ、4か所ともかなり中身のある買取でした。
お会いしたのがそれぞれ魅力的な奥様ばかり。
最初が練馬区早宮のO様、次に文京区関口のT様、続けて関口のH様、最後に新宿区筑土八幡の、I様。多分、40代から60代の、素敵な女性のお客様ばかりでした、今日は。
うれしい限りです。

照ノ富士が逸ノ城を破ったころ店に戻りました。
今日は何と無く、私の好きな品物に出会えた気分です。
テレビの相撲を耳で聞きながら、品物の整理です。
整理しながら、今日の私の暦の主人公はこれだと、写真に収めようとした時に来客がお一人。
あれは多分、ひと月ほど前、鼈甲の撥をお持ち頂いた、A様が目の前に。

今日も、一本の本鼈甲の象牙撥と、金色の腕時計をおひとつ持ってこられました。
結局、撥の方はお値段納得頂き、時計の方は、あずからせていただく事で、一見落着後、又、いつものよもやま話です。

訳有りで転職後の今のお仕事の話を聞きながら、A様の、お年を聞いて、びっくりしました。

私の想像よりはかなり、年配の方だったんです。

A様、今日は店に寄って頂きまして、大変有難う御座いました。

最近私は、体のあちこちの痛みのせいで、色々落ち込んでました。

今、キーボードに向かいながら、思い出しました。
今朝お会いした、とてもお元気で、とても聡明な早宮のO様。
やはり、こんな文章は、ブラインドでの作業だそうです。
私にも可能かもしれないとの事。
頑張りたいと思います。

好きな品物に出会うのもも大事ですが、今日はそれよりも大事な事に出会えた一日でした。
A様、O様、有難う御座いました。

新宿区払方町で銀瓶の買取。肌掛けタオルも、そして。

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平河町を後にし、四谷見附から外堀通りを右折、、市ヶ谷を右に見て、田町の先を左に曲がれば払方町。
昔は大名屋敷の街らしく今でもとても静かです。
白いワンピースのいかにもふくよかなN様に迎えられました。
主に買取したのは、肌掛け、タオル、シーツ、毛布等ののいわゆる贈答品類。
車の後ろにあふれるくらいの量です。
お支払いをしながら目に留まったのが此の銀瓶でした。
裏にへこみが有り、ふたもへこんでました。
銀瓶の買取

贈答品と変わらぬお値段でしたが、気持ちよく譲って頂きました。
支払を済ませた私の目にまた、ちらっと映ったのが、此のブロンズ2体です。
玄関のドアを開けて手が届くような場所で、出会えるとは思ってませんでした。静かにたたずんでました。

確か富永直樹のボジョレーの娘だっと思います。
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さらに静かだったのが此の2匹の猫たちです。玄関のたたきに敷かれた絨毯の上でこちらを眺めてるのです。
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いつ頃、いくらで買われたのか聞いてみました。
一時はかなりの金額で取引されていた作品たちです。
是非譲って下さいと言うには、もう少し時間がかかりそうです。
とても良い物たちを見させて頂きました。
新宿、払方町のN様、有難う御座いました。

新宿区下落合で、こんなもの買いました。金の獅子頭。

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昨日、目黒からの帰り寄った新宿の下落合。
目白の駅から入った静かな住宅街の静かなマンションの3階のお部屋に呼ばれました。
迎えて下さったのは、年のころやはり60は超えたかどうかの、素敵な奥様。
胸元のエメラルドのネックレスが輝いてました。
出されて来たのが、写真の獅子頭。それも金色の。北陸の方の知人からの頂きものらしいんですが、置き場所が無くなり、何とかしたいとのこと。
こういう物は骨董としての評価はまず無理です。
ほしい方がいるかで、価値が決まりますが、その場で私は、適切な金額を提示できませんでした。
奥に戻られた奥様が手にしてきたのが、 やはり頂き物で申し訳ないと出されたのがこの冶兵衛の銘入りの菓子盆。
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村瀬冶兵衛作だと思います。
これもどうぞと頂いたのが秋田の桜の皮細工の茶入れ。
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私は木で造られた物に弱いんです。頑張って買取させて頂きました。
続けてこれはいかがと出されたのがエルメスのプレート。
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獅子に叱られないようお値段頑張って、素敵な奥様の笑顔を後にしました。
今日はあいにくの冷たい雨です。
ゆっくりと品物整理ができそうです。
昨日は、鷹番、下落合の素敵な奥様方、有難うございました。

新宿、西落合の、鼈甲撥の買取り

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先日古銭を持って来られた、新宿、西落合のA様が見えられました。
しわしわの風呂敷から取り出された2本の鼈甲撥。
風呂敷を解く手を見ると去年よりはAさんも幾分しわが増えた様。
象牙の柄とプラスチックです。
ご自分で長年使われたものです。

相当お好きだったようですが、残念ながら象牙の方、撥の顔にはかなりの小キズと、にぎりと尻には、小さなワレが見えます。
ケースは有りませんでした。

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買取り金額を告げるのに胸が痛みます。今回もご希望の金額に行かないと思います。
金額には納得をして頂き、コーヒーを飲みながら、しばし、世間話。
話が好きで、始まると中々止まりません。よく聞かされるのが過去のご自分の華やかな頃のお話です。
今日始まったマスターズの試合とご自分の過去のゴルフの経歴の話が、器の中のコーヒーとミルクのように程よく混ざり合ってます。
この次は使わなくなったキャロウェイのゴルフクラブの買取りを頼まれました。
頑張ってくださいA様、今日は有難うございました

豊島区、千川で古銭の買取でした。

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去年の今頃、津軽三味線を売って頂いた新宿西落合のA様からお電話が有りました。
今日は定休日でしたが、豊島区、千川の私の店までわざわざ来て頂きました。
古銭が有るというのです。
ボストンバッグから出すものですから、こりゃ、相当の量かと思いきや、写真の物が殆どでした。
記念の500円、100円硬貨が半分くらい有りましたのでそれはお返ししました。
ご自分で知り合いの銀行の窓口まで行ってもらう事に。
金額以上で、高くは買えないのです。
古銭といえどもその中で私たちが欲しがるものを探すのは簡単ではありません。今日の中ではこの50銭銀貨2枚くらいでした。私がやっと欲しいのは。
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去年、三味線を手放すときから訳ありなのは分かってました。その時も結構な値段で買いました。今日は値を決めるのに苦労しました。
次に津軽の鼈甲撥が有るとおっしゃるので、今日は殆ど儲けなしで買わせて頂く羽目になりました。
A様、次は宜しくお願い致します。